中国軍の兵士(Times Asi CC BY 2.0 via flickr)

 米ニュースサイト「Gateway Pundit」は5月27日、「Exclusive: Clinton Administration Invites Chinese Military to Sensitive U.S. Military Biodefense Center(意訳:【独占】クリントン政権は中国共産党(以下、中共)軍を米軍バイオディフェンスセンターに招待)」という記事を掲載した。

 記事では、中共軍による米国の科学技術の盗用が1990年代に始まったことを明かした。クリントン政権時代には、多くの中共軍人が、機密性の高い米軍のバイオディフェンスセンターに招かれ、研修を受けていた。また、他の分野の軍人や科学者も次々と米国に浸透していた。

 同記事には多くの事例が挙げられ、中でも2人の人物が特に注目されている。

 1998年10月1日付の米国陸軍医学研究開発コマンド(USAMRDC)の文書には、クリントン政権が国防総省のあるプロジェクトでLuoChunyuan(音訳:羅春元)氏とXiangChunsheng(音訳:向春生)氏を採用したことが記されている。羅氏は中国籍、向氏はカナダ籍であった。

 羅氏は、米ウォルターリード陸軍研究所(WRAIR)のメンバーになる前に、中共軍事医学院毒物・薬物研究所で勤務していた。WRAIRに10年以上在籍していた間、メリーランド州アバディーンにある米国陸軍化学防衛研究所 ( USAMRICD )との直接の共同研究を含め、化学戦争に関する課題を研究していた。

 2012年にWRAIRを退職した後、羅氏の名前は中国の清華大学AMiner(注)チームが作成した「Global Chinese Talents(意訳:グローバル中国人専門家)」という人材データベースに現れた。これは中共が彼に関心を持っていることを示しているという見方がある。

 一方、向春生氏の国籍は、USAMRDCの書類に「カナダ」と記載されている。しかし、同記事の作者であるセリン博士とアンナ・チェン氏によると、向氏が実は中国人で、中共の党員であるという。向氏はUSAMRDC傘下の陸軍感染症医学研究所に配属され、そこでは、病原性が高く、生物兵器になりうるエボラウイルス(エボラ出血熱)の研究を行っていた。現在、浙江大学の教授を務めており、中共や中共軍の高層と緊密なつながりを持っている。

注:AMinerは、清華大学が開発した学術論文検索サービスである。

(翻訳・徳永木里子)