ワシントンD.C.の米国財務省ビル(Sealy j, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 米財務省は15日、香港の民主主義を破壊したとして、中国と香港の高官6人を新たに制裁リストに加えたと発表した。6人はそれぞれ中国共産党中央委員会統一戦線工作部部長の尤権、中央人民政府駐香港特別行政区国家安全維持公署副署長の孫青野、香港全国人民代表大会常任委員会委員の譚耀宗、香港警察処国家安全処処長の蔡展鵬、国家安全保障を担当する警務処処長補佐の簡啓恩と江学礼である。米国の制裁リストに載っている人物は、米国への入国が禁止され、米国内の資産が凍結され、米国人との貿易ができなくなる。

 今回の制裁は、数日前に香港警察が民主活動家を大量に逮捕したことに関連しているという。香港警察の国家安全保障処は1月6日、元立法院議員、現職の区議会議員、大学学者、米国籍の人権弁護士らを含む民主化活動家55人を逮捕。昨年の香港立法会民主派予備選挙を計画、組織、参加し「香港国家安全法」に違反したとして「国家権力転覆」の疑いで告発した。同事件は国際的な注目を集めた。ポンペオ米国務長官は声明の中で憤りを示し、香港の人々が中国共産党に弾圧されるのを、米国は黙って見ていられないと述べた。そして、今回の逮捕は中国共産党の国民と法律に対する侮蔑であり、米国は事件の関係者に制裁措置を行うと述べた。

米国の制裁リストに掲載されている中国・香港高官一覧

 昨年8月7日(11人):香港行政長官の林鄭月娥、律政司司長の鄭若驊、行政長官弁公室主任兼国家安全保障委員会事務局長の陳国基、保安局局長の李家超、憲法・大陸事務局局長の曽国衛、警務処処長の鄧炳強、元警務処処長の盧偉聡、香港中央人民政府連絡事務所主任兼国家安全保障顧問の駱恵寧、中央人民政府駐香港特別行政区国家安全維持公署署長の鄭雁雄、香港マカオ事務弁公室主任の夏宝龍及び副主任の張暁明。

 昨年11月(4人):国務院香港マカオ事務弁公室副主任の鄧中華、中央人民政府駐香港特別行政区国家安全維持公署副署長の李江舟、国家安全保障を担当する警務処副所長の劉賜蕙、香港警察隊国家安全保障上級警官の李桂華

 11月下旬(14人):中国共産党全国人民代表大会常務委員会副委員長蔡達峰、曹建明、陳竺、ペマ・ティンレー、丁仲礼、郝明金、アルケン・イミルバキ、吉炳軒、沈躍躍、万卾湘、王晨、王東明、武維華、張春賢

 今年1月(6人):中国共産党中央委員会統一戦線工作部部長の尤権、中央人民政府駐香港特別行政区国家安全維持公署副署長の孫青野、香港全国人民代表大会常任委員会委員の譚耀宗、香港警察処国家安全処処長の蔡展鵬、国家安全保障を担当する警務処処長補佐の簡啓恩と江学礼

(看中国記者・李懐橘/翻訳・北条)

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