(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 ソーシャルメディア大手のツイッターは最近、トランプ大統領のアカウントを「永久にブロック」すると発表し、世界的な注目を集めている。ドイツのアンゲラ・メルケル首相も、これは非常に問題があると指摘した。ツイッターの動きは、言論自由やソーシャルメディアの規範について、広範な議論と批判を巻き起こしている。

 ワシントンD.C.で1月6日に行った「セーブ・アメリカ」集会では、暴力集団「アンティファ」のメンバーが支持者を装って米議会議事堂まで侵入・占拠し、警察と民間人が衝突する事態にまで発展させた。

 ツイッターはその後、デモ群衆が議会議事堂に侵攻した事件をトランプ大統領の責任であると非難し、「さらなる暴力扇動の危険性がある」として彼のツイッターアカウントを「永久に停止」した。

 その後、フェイスブックやインスタグラム、スナップチャットも相次いで追随し、トランプ大統領の個人アカウントを制限し、世界的な反発を巻き起こした。

ソーシャルメディア規制に対してヨーロッパの反発を引き起こした

 中央通信によると、欧州連合(EU)の内部市場幹部のティエリー・ブルトン氏は、EUにおけるデジタル巨頭への規制を強化するために2つの提案をしている。彼は、ツイッターの決定はこれまでのものとは全く異なると考えており、米政治通信社ポリティコに「これはソーシャルメディアの同時多発テロ事件だ」と投書した。

 ドイツのアンゲラ・メルケル首相のスポークスマン、ステフェン・セイベルト氏は、メルケル首相はトランプ大統領のアカウントが永久にブロックされていることに問題があると見ていると述べた。彼はまた、言論の自由は干渉される可能性があるが、ソーシャルメディア企業の経営者によって決定されるのではなく、立法機関によって定義された規制範囲に適合しなければならないと述べた。

 フランスの経済・財務相のブリュノ・ルメール氏もその見解に賛同し、フランスの国際放送局(RFI)に「デジタル巨頭は規制されなければならず、デジタル・オリガルヒ自身に任せることはできない」と語った。

 ロシアの野党指導者アレクセイ・ナワリヌイも、ツイッターのブロックや検閲は「感情や個人的な政治的嗜好」に基づく「容認できない行為」だと批判した。

ソーシャルメディアの検閲免責、「無罪免責カード」疑惑

 報道によると、米通信品位法230条は、テクノロジー企業がユーザーが投稿したコンテンツに対する責任を負わず、かつコンテンツを「検閲」することができる。米国のソーシャルメディアはしばしばこの法律条項で免責され、「無罪免責カード」となっている。

 弁護士のクリスティアン・フェラル・シュー氏は、ソーシャルメディアプラットフォームの現在の慣行は一種の「検閲」に等しいとし、「トランスナショナリティ」の問題に対処するには現行法では十分ではないと警告し、ソーシャルメディア・プラットフォームによるアカウント停止や記事削除などの後続問題に対応するための法的手続きの確立が必要だと強調した。市民はこのような行為に裁判所で異議を唱える権利を持つべきである。

 アメリカ自由人権協会(ACLU)の上級立法顧問であるケイト・ルアン氏は、フェイスブックやツイッターのような企業が、制限されない権力を利用して、ソーシャル・プラットフォームからユーザーを追い出す時、人々は自分の危険に警鐘を鳴らすべきだと述べた。

 元ホワイトハウス報道官のアリ・フライシャー氏も、フォーサイス・ニュース・チャンネルで、ソーシャルメディアは検閲が有用と誤って認識していると警告した。彼は「検閲制度は永遠に通用しない。検閲制度はそれらの考えから抜け出すことができず、かえって危険な地下社会を作ってしまう。これは私たちが見ている光景であり、良い結末にはならない」と述べた。

(翻訳・藍彧)

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