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 10月14日、アメリカに本部を置く国際NGO団体である「フリーダム・ハウス」は、今年の「インターネット上の自由度 (Freedom on the Net)」報告を発表した。同報告書によると、中国が再びインターネットの自由度が最も低い国としてリストアップされた。イラン、シリア、ベトナム、キューバに次ぐ、6年連続最下位となった。

 報告書では、最も自由度が高いのはアイスランドで、次いでエストニア、カナダで、米国が7位にランクインしている。日本は世界8位だが、アジアでは最も自由な国である。

 報告書によると、新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)が世界に広がった後、グローバルネットワークの自由度が低下しており、それには3つの特徴がある。多くの国の指導者は、ウイルス流行防止を口実に市民の情報へのアクセスを制限した。次に、同じ口実で監視権限を拡大し、ハイテク技術を使用して個人データを収集・分析している。世界的なインターネットの開放性は低下し、「サイバー主権」の概念の拡大により、多くの国がデジタル障壁を構築するようになった。

 「フリーダム・ハウス」のシニアリサーチアナリストであるサラ・クック氏は、中国、香港、台湾問題を担当する研究者で、上記の3つの問題はいずれも中国のサイバースペースに完全に反映されていると述べた。

 クック氏はボイス・オブ・アメリカに対し、「パンデミックとなった理由の1つは、実は中国共産党のインターネット支配に直接関係している。これは正に昨年指摘したようにWe Chatユーザーに対する監視と報復問題であり、そして内部告発者の李文亮のような医者を直撃して起こった」と述べた。

 クック氏は、ウイルス流行前に中国共産党による人権迫害がすでに拡大していたと述べた。「最も明白な事例は、人権ウェブサイトを運営したために、黄琦は12年という非常に長い刑期を宣告された。また、もっと注目に値するのは、多くの人々が習近平を批判したことで罰せられていることだ。最も顕著な例は、18年の刑を宣告された任志強である。彼自身も共産党員で、インターネット上で習を批判するいくつかの記事を発表しただけで、習を尊重していないとして重い刑を宣告された。」

 報告書にはまた、新型コロナウイルス流行期間に、中国ほど全面的で厳格な監視を行っていた国は他にないと述べた。中国共産党は、社会的な管理と制御に使う人工知能や機械学習などのハイテク技術を開発しているだけでなく、ローテクのオンライン手動削除部隊をも展開している。

 カナダのトロント大学の「シチズンラボ」は、2019年8月に、We Chatがすでに画像フィルタリング機能を備えていることを明らかにした。 We Chatユーザーがテキストの検閲を回避しようとして、画像でセンシティブな内容の記事を投稿しようとしても検出される。

 「ウォール・ストリート・ジャーナル」の報道によると、今後3年から5年で、中国のコンテンツ検閲軍は100万人に達するという。また、アリババとテンセントは、コンテンツ監視と検閲技術の業界リーダーとして台頭してきていると報じた。

(翻訳・北条)