マイク・ポンペオ(Mike Pompeo)米国務長官(イメージ:パブリック・ドメイン)

 マイク・ポンペイオ米国務長官はこのほど、中国人学生や科学研究者の米国入国を完全に禁止する可能性があると表明した。このニュースを受けて、中国の留学生らはすぐに、第三国のビザ申請代行サービスを利用する迂回ルートに移行した。

 ポンペオ氏は31日、首都ワシントンのラジオ局WMALのインタビューで、トランプ大統領が中国の学生や研究者の米国留学や研究活動を一時全面禁止することを検討していることを明らかにした。

 ポンペオ氏はインタビューで、中国共産党政権は米国の大学や研究機関に様々な形で潜入し、米国の知的財産を盗んでいる。トランプ大統領はそのような行為に終止符を打つ決意を固めているが、まだやるべきことはたくさんあると述べた。

 米国が中国人留学生の渡米を一定期間禁止し、完全に遮断する措置を執った方が、中国共産党の米国科学研究界への潜入をより効果的に防げるではないかという質問に対し、ポンペオ氏は、トランプ大統領はすでに真剣に検討していると答えた。

 さらに、ポンペオ氏は、中国共産党がほぼすべての中国人留学生を監視し、確実に自らの望みを彼らにさせていると述べた。中国人留学生は正式な意味でのスパイではないかもしれないが、国内にいる家族の安否が脅かされたとき、多くの学生は大きなプレッシャーで、中国共産党のために情報収集をせざるを得ないという。

 このニュースを受けて、中国の留学生らは直ちに対策を考えた。一部の中国人留学生は「曲線入国」という方法を採っている。つまり、中国のビザ免除国でかつ米国のビザが申請できる国で、米国の留学ビザを申請する。

 中国国内のメディアが、9月1日にインタビューした今年ワシントン大学で経済を学ぶ予定の学生によると、中国国内で米国のビザの申請が困難なため、近日中にカンボジアに行って申請する予定だという。ビザ免除国を経由した留学ビザ申請代行サービスを偶然インターネットで見つけた彼は、同サービス機関を少なくとも3つは知っているという。現在、カンボジアの首都プノンペンにあるビザ申請代行業務が最も熟練とのこと、またカンボジアは中国に最も近いビザ免除国家でもある。

 ビザ申請代行サービスは費用が高く、少なくとも人民元5万元(約78万円)はかかり、申請を却下されるリスクも伴っている。しかし、それでも多くの中国人留学生は同サービスを利用している。

 現在、米国のすべての大学において中国からの留学生が最も割合が高い。米国商務省のデータと国際教育協会の2019年の報告書によると、2018年の国際留学生は米国に447億ドルの収入をもたらし、2017年より5.5%増加したという。

(翻訳・藍彧)