8月19日、ロサンゼルスにいる中国黒龍江省雞西市の元副市長李傳良氏(写真撮影:大紀元/徐繍恵)

 中国黒龍江省雞西市(けいせい-し)の元副市長李傳良氏は先日、海外で公に、「中国共産党体制は中国最大の問題だ」と述べた。海外メディアのインタビューで、中国共産党の正体を見破ってから米国に逃亡するまで、自主的に退職して実名で中国共産党組織から脱退する経緯を明かした。

 8月19日、李傳良は米国で大紀元紙のインタビューに対し、実名で中国共産党組織から脱退すると表明した。

 インタビューで李傳良は共産党組織で働いていた時を振り返った。2012年5月に正式に鶏西市副市長に就任後、徐々に市政府の核心部に入り、様々な偽造や汚職の内幕を目の当たりにした。中国共産党体制の腐敗について率直に「仕方がない、もうこれ以上やってられない」と話した。2017年、彼は中国共産党体制から完全に離れ、「自由人」となった。

 米国に逃亡した理由について、元部下の孔令宝が言論で有罪判決を受けたため、自分が巻き込まれることを恐れたからだと述べた。

 孔令宝は李傳良の元部下だった。今年2月初め、中国の新型コロナウイルス(中共ウイルス)の蔓延が深刻化し、地元の政府関係者の通報を許ない状況の中で、管轄区内の最高指導者として、現地の枯渇した炭鉱の失業労働者たちが次々と新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎)にかかっているのを見て、当局に報告することを決めた。しかし、中国共産党は彼に「疫病防止・管理失職」の罪状を突きつけた。

 2020年2月14日、孔令宝は警察に逮捕された。李傳良は、孔令宝は濡れ衣を着せられた典型的な例である、庶民のために実情を報告すると、かえって罪となると言った。

 李傳良によると、彼と孔令宝はよく中国でタブーとされることまで話していたため、孔令宝の罪の一つに「不当な言論を発表した」というものがあったという。孔令宝はプライベートな会話において「共産党のために命を投げ出してまで働くわけにはいかない」と話したことがある。この発言が録音されて告発されたために、孔令宝は有罪判決を受けた。

 孔令宝事件後、李傳良もまた、過去の言論や見解などが罪となることを懸念して、国外に逃亡することにした。

 李傳良は「今、中国共産党の幹部も危険な状況に置かれている。中国では、高官、企業家、知識人を問わず、良識を少しでも持っていれば、大きな精神的プレッシャーを受けている。中国共産党政権の様々な弾圧政策に直面しながら、身の安全を心配しなければならない」と述べた。

(翻訳・藍彧)