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 香港の警察当局は10日、中国政府を公然と批判してきた香港メディア界の大物で、民主派の香港紙「蘋果日報(アップル・デイリー)」の創業者、黎智英(ジミー・ライ)氏を、国家安全維持法(国安法)違反の容疑で逮捕しました。黎(ライ)氏の同僚と警察が明らかにしました。

 黎氏の経営するメディア企業「壱伝媒(ネクスト・デジタル)」の本社にも家宅捜索が入り、黎氏の他に同社の管理職の社員6人が同じく国安法違反の疑いで逮捕さた。

 黎氏の同僚マーク・サイモン(Mark Simon)氏は 「(黎氏は)自宅で午前7時ごろに逮捕された」と語った。これに先立ちサイモン氏は、ツイッター(Twitter)に「ジミー・ライは外国勢力との共謀の容疑で逮捕された」と投稿。黎氏と彼の息子の自宅がそれぞれ家宅捜索を受けたと述べた。

 警察の発表によると、黎氏ら7人の逮捕は、外国勢力との共謀と詐欺だと言う。黎氏が所有する「蘋果日報」と週刊誌「壱週刊(Next Magazine)」は共に民主派を明言し、中国政府に批判的な論調を展開していた。中国国営メディアは、黎氏を「裏切り者」とみなし、昨年の大規模な民主派デモの最大の「黒幕」で、外国と共謀して祖国の弱体化をもくろむ新たな「四人組」のリーダーだと非難していた。黎氏は6月中旬、「香港国家安全法」の施行を、「香港にとっては死の鐘」だと批評した。「獄中に入る覚悟はできている。その時が来たら、まだ読んでいない本を読む機会が持てるだろう。前向きになることしかできない」と述べていた。

 また、香港の民主の女神と呼ばれた周庭(アグネス・チョウ)さんが、国家安全維持法違反で逮捕された。香港メディアなどによると、現地警察は、香港の民主活動の象徴的な存在の周庭さんを、国家安全維持法違反容疑で逮捕した。具体的にどのような行為が違反にあたるのかは明らかになっていないが、周さんのFacebookでは、「国家の分裂を扇動した容疑」と確認されたと、関係者が代理で書き込んでいる。民主的な選挙を求める2014年の「雨傘運動」で民主の女神と呼ばれた周さんは、2019年の反政府デモで、参加者をあおり警察本部を包囲させた罪で起訴され、罪を認めていて、12月にも量刑が言い渡される予定だった。

【編集】Visiontimesjp News