(イメージ:看中国合成写真・新浪微博)

 中国国家衛生健康委員会は7月2日、「人体臓器移植条例」を改正し、「人体臓器移植条例草案」を発表した。草案では18歳未満の国民からの臓器を移植に使用した場合、刑事責任が問われると定めた。

 今まで18歳未満の国民から臓器移植していたのかと疑問視された。また、同条例では、18歳以上の国民から臓器移植した場合、刑事責任が問われないということになるかが物議となった。

未成年の生体から臓器摘出を禁じるという衝撃

 7月2日、中国国営メディア北京日報の「国家衛生委員会:18歳未満の公民の生体臓器摘出には刑罰の責任を追及する」という記事は中国の多くのメディアが相次いで転載した。同報道によると、中国国家衛生委員会は「人体臓器移植条例」を改正し、18歳未満の本人の同意なしに生体から臓器を摘出した場合、あるいは生前に臓器提供に反対の意思表示をしたにもかかわらず、死体から臓器を摘出した場合は刑事責任を追及すると明記した。

 同条例改正は世間で大きな賛否の渦を巻き起こした。

 「北京の春」名誉編集長の胡平は「この改正から読み取れるのは、まず、以前18歳未満の生体から臓器を摘出したのは罪を問われなかっただろうか、次に、18歳以上の生体から臓器を摘出したとしても以前や今後は罪を問われないことか」とツイートした。

 多くのネットユーザーから、「これは中国共産党が臓器狩りしている証拠だ」、「18歳以上は臓器狩りし放題なのか?」、「恐ろしい!」、「人殺しじゃないか?臓器移植に関わった者は皆死刑にすべきだ!」といった声が多数寄せられた。

中国では未だに臓器狩りが行われている

 実際、中国本土では長年にわたって臓器狩りが行われていたことが国際的に注目されている

 アムネスティ・インターナショナルの資料によると、中国では2000年から2005年の間、41,500件に及ぶ臓器移植手術で使われた臓器の提供源を説明できないという。

 2006年に初めて証人が現れ、中国共産党が法輪功を学んでいる人の生体から臓器を強制的に摘出していた実態を暴露した。その後の10年間で、ますます多くの証拠が中国共産党が実際に臓器狩りといった反人類的な罪を犯していることを証明した。

 また、カナダの人権弁護士デービット・マタス(David Matas)氏と元カナダ外務省アジア太平洋局局長、クラウン検事デイビット・キルゴール(David Kilgour) 氏は、中国本土で法輪功を学んでいる人からの臓器狩りに関する調査の要請を独立人権組織から引き受け、2006年7月に「中国における法輪功学習者の臓器狩り疑惑に関する報告書」を発表した。52種類の異なる証拠から、中国共産党が実際に法輪功を学んでいる人から臓器を摘出していることが証明されたという。

 中国共産党は、臓器狩り疑惑を断固として否定している一方で、疑惑を晴らすために関連データの公表という国連からの要求には応じず、独立した外国の組織が調査のために中国に入国することも拒否した。

 ロンドンでの民衆法廷は、2019年6月に中国共産党が長年に渡り、主に法輪功学習者から臓器を摘出し、今日まで続いていることを宣告した。民衆法廷の判決をイギリスのロイター通信社、デイリー・テレグラフ紙、米国のフォーブス誌など、大手メディアが報道した

 2019年11月7日、参議院議員・山田宏は外交防衛委員会で政府に中国の臓器強制収奪問題に関する質問を行った。山田議員は、マタス氏の書籍を引用して「臓器を提供するどころは強制収容所と刑務所である。多くの犠牲者は法輪功学習者で、ウイグル族、チベット族など少数民族も含まれる。人類社会に未曽有の人権犯罪を止めるには、世界に真相を伝える他ない」と述べた。

【YouTube】山田宏議員国会で臓器狩りについて質問:

【YouTube】「臓器狩り 十年の調査」:

(看中国記者・黎紫曦/翻訳・藍彧)