浸水された宜昌市(イメージ:ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国の中央気象庁(CMA)は6月29日も継続的豪雨警報を発令した。豪雨警報は6月2日から28日間連続した。中国中央テレビ(CCTV)によると、6月26日までに中国では26の省が洪水被害を受け、被災者は1374万人に達し、死亡・行方不明者は81人で、緊急避難した人は74.4万人に達した。洪水被害により1万件以上の家屋が倒壊し、直接経済損失は278億人民元(約4千億万円)。

 この間、豪雨警報が計80回発令された(28日10時まで)。そのうち一級豪雨警報40回、二級豪雨警報40回、 早期警戒41回。現在、大きな被害を受けた重慶、湖北、河南、安徽の4省・市に加え、江蘇、江西、湖南などにも拡大し、上海などの一級都市も全面警戒状態に入った。

 6月上旬から続く豪雨や洪水による被害状況に対し、習近平は6月28日にようやく救済指令を出した。習近平の指示を受け、中国の防災委員会、緊急管理部は被害の大きい地域に救助隊を派遣し、各地の水害防止と救援活動に協力した。同時に中央政府から救済経費に2億人民元充てられた。国家食糧と物資備蓄局が一斉に動き出し、テントやベッドなどの物資を被災地に配布した。

 現在、長江の下流に位置する全ての都市(武漢、南京、上海を含む)は浸水されるリスクが高い。

 一部のネットユーザーからは、北京当局の対応の遅さや洪水状況の隠蔽について、「人の命をないがしろにして、中国人をニラ(注)扱いしている」と批判の声が上がっている。

注:ニラは野菜の一種であるが、根の上の部分から切り取れば、また生えるという生態にちなんで、中国共産党が中国人を弄ばしているという喩えに使われている。

(看中国記者・黎小葵/翻訳・藍彧)