イメージ:Komaer / PIXTA(ピクスタ)

 ある婦人が香港で一着のコートを買いました。そのコートは墨のような黒色で、羽根のように軽いのにとても暖かいので、彼女はとても気に入りました。しかし、そのコートを初めて着て海外へ旅立った時、意外にも失くしてしまいました。
 
 その日、彼女はロンドンへの搭乗手続きを済ませ、フードコートで朝食を食べようとコートを椅子の背もたれに掛けました。しかし、食事を済ませた彼女は、慌てて手荷物だけ持って搭乗ゲートへ行ってしまいました。
 
 その後、彼女は飛行機に搭乗してから、ようやくコートのことを思い出しました。「もしかしたら、誰かが拾って、落とし物センターへ届けてくれるかも…?」と彼女は勝手に思っていました。しかし、帰国後、空港に問合せてみても、そのコートの事は分からず、海に沈んでしまったかの様に消えてしまいました。
 
 彼女が娘にこの事を話すと、娘は「お母さん、椅子から立ち上がった時、どうして振り返ってみなかったの?」と言いました。
 
 娘は十年前、イギリスへ留学する前日、タクシーの中に携帯電話を忘れてしまい、とても面倒な思いをしました。娘はこの事件を心に刻み、“振り返ること”を教訓としました。その後、一人で外国での生活を続ける娘は、二度と同じ過ちを犯さないように心掛けてきました。
 
 「お母さん、これからいつも“振り返ること”を忘れないでね!」と娘は強調しました。 そして「振り返ることで、自分の過ちや後悔している事を明らかにできるから…」と続けました。
 
 「振り返ること」で重要な事は「気付く事」です。自分の過ちに気付いたら、すぐに過ちを修正する事が大切です。
 
(翻訳・Jerry)