法輪大法明慧ネットの中国語版サイトが9月29日に報じたところによると、米議会上院は9月28日、「法輪功および臓器強制摘出被害者保護法案」(S.4009 – Falun Gong and Victims of Forced Organ Harvesting Protection Act)を全会一致(unanimous consent)で可決した。党派対立が根深い米議会で共和・民主両党が足並みをそろえるのは異例で、画期的な立法と受け止められている。
法案は、違法な臓器取引に関与・協力した外国人への制裁を柱とする。米国務省に包括的な報告書の提出を義務づけるほか、米国の医療機関が人権侵害を伴う臓器移植に手を貸すことを防ぐ措置も盛り込んだ。
共和党のテッド・クルーズ上院議員(Ted Cruz、テキサス州選出)と民主党のジェフ・マークリー上院議員(Jeff Merkley、オレゴン州選出)が共同で提出した。米紙エポック・タイムズ(The Epoch Times)によると、共同提案者は上院議員11人。
クルーズ氏は「中国共産党は国家ぐるみの残忍な臓器強制摘出産業を通じ、法輪功学習者を迫害し続けている。こうした残虐行為は信教の自由と基本的人権への攻撃だ」と述べた。
同法案は3月5日に上院に提出され、上院外交委員会に付託された。同委員会は6月17日の採決で、全文差し替え修正案(amendment in the nature of a substitute)を付したうえで、本会議に可決を勧告することを決めた。7月27日にはジム・リッシュ委員長(Jim Risch)が修正案を含む報告を本会議に提出した。書面による報告書は付されていない。法案は同日、上院の一般議事日程(General Orders)に掲載された(日程番号506)。
下院は2025年5月5日、同趣旨の「法輪功保護法案」(H.R. 1540)を異議なく可決している。S.4009は今後、下院に送られる。下院版とは内容が異なるため、両院で法案の内容をそろえる必要がある。両院が同じ内容の法案を可決すれば、大統領に送付される。大統領が署名すれば、法案は連邦法として成立する。議会の会期中に送付から10日以内(日曜日を除く)に拒否権が行使されなかった場合も成立する。
法案が成立すれば、医療や生命倫理の分野に大きな影響が及ぶとみられる。法案には、米国の医療機関や研究者、企業が知らずに、あるいは意図せずに、人権侵害を伴う海外の臓器移植や関連する研修、共同事業に関わることを防ぐ狙いがある。国境を越えた医療面での加担を断ち切る効果が期待される。米医療界には、臓器移植や研究交流、国際的な臓器提供データの利用で高い透明性と倫理基準が求められるようになり、臓器の強制摘出の間接的な受益者となる事態を防ぐことにもつながる。
制裁面では、違法な臓器取引への関与や協力が確認された外国人に対し、資産凍結や米国への入国禁止などの厳しい措置をとれるようにする。
報告面では、国務省に対し、海外での違法な臓器取引や移植政策に関する包括的な年次報告書の提出を義務づける。報告書では特に、法輪功学習者やウイグル族などが標的となった事例を取り上げるよう求める。この問題を米国の外交課題や人権報告の中心に長期的に据える狙いがある。
上院の採決に先立ち、議員や各地の市民が連邦上院議員宛ての請願書に署名し、法案への支持を表明していた。
共和党のスコット・ペリー下院議員(Scott Perry、ペンシルベニア州選出)は「どの党派に属していても、どんな信仰を持っていても、臓器の強制摘出や奴隷化を容認できると考える人はいない。これは誰もが同意できる点だ」と語った。
共和党のデラウェア州議会下院議員、マイケル・スミス氏(Michael Smith)は「中国共産党が国民に対して行った残虐行為は身の毛もよだつものだ。米国人として、私たちははっきりと立場を示さなければならない」と述べた。
非営利団体「アメリカン・リアル・ボイス」(American Real Voice)のアーロン・バシール代表(Aaron Bashir)は、信仰や党派の違いを超えて迫害を受ける人々を守ることは道義的な責任だと強調した。
メリーランド州の芸術家で作家のムーラ氏(Mula)は署名に際し、「公式な行動が必要だ。私たちには選挙で選んだ代表がいる。その代表に声を届け、耳を傾けてもらわなければならない。請願はそのための手段の一つだ」と話した。
デラウェア州在住のエディ・アヴォイッチ氏(Edi Avoic)は妻とともに署名簿に名前を記した後、「身体の自己決定権は他のあらゆる権利の土台だ。これを失えば、すべてを失う。本人の同意なくこの権利を奪うことは、その人が暴力に訴えるか平和的な手段をとるかにかかわらず許されない。彼らが暴力で身を守ろうとしないからといって、この神聖不可侵の天賦の権利を奪われてよいわけではない。これは人から与えられたものではなく、神から与えられた権利だ」と語った。
(翻訳・黎宜明)
