先日、中国南部の広い範囲が記録的な豪雨に見舞われました。広東省、広西チワン族自治区、江西省などでは連日、大雨による災害が発生しています。市街地の道路で大規模な冠水が発生したほか、多くの学校や住宅、店舗が浸水し、各地で甚大な被害が出ています。

 今回の記録的な大雨は、特に江西省で猛威を振るいました。5月15日の夜から、贛州市や吉安市などの地域で雨脚が急激に強まりました。気象当局の発表によると、16日の朝までに贛州西部の複数の地域が局地的な大雨に見舞われ、そのうち上猶県梅水郷では237ミリの降水量が観測されています。激しい雨の影響で贛州市の各地は瞬く間に冠水し、交通が遮断され、一部の地域では土砂崩れも発生しました。

 上猶県東山鎮の住民によると、住宅地では停電と断水が発生し、水深が1メートルから2メートルに達しました。駐車していた乗用車の屋根がほぼ水没するほどだったということです。急激な増水に、地元住民からは不安の声が聞かれました。長年この地に住むある女性は、水が2階に迫るのを見て、「家を建てて20年以上になりますが、これほどの水は見たことがありません。」と語っていました。

 地元住民がSNSに投稿した映像からは、被害の深刻さが生々しく伝わってきます。激しい濁流の中で車が木の葉のように流されている様子や、通り沿いに止まっていた十数台の車がすべて水に浸かって浮いている様子、そして腰の高さまである水の中で住民が身動きが取れなくなっている姿が映し出されています。最も水深が深い地域では、建物の1階部分がほぼ天井まで水没しました。水流が激しく、エンジン付きの救難艇でも前進が困難な場所もあります。救難隊はゴムボートを頼りに逃げ遅れた高齢者を救出するなどの対応に追われました。こうした状況を受け、江西省の気象台は連続して豪雨警報を発令し、都市部や農村部の冠水、中小河川の増水、および土砂災害への警戒を呼びかけました。

 一方、広東省の被害状況も深刻です。5月13日の夜間から、広東省の広い範囲で激しい雨が降り、雷雨や突風、さらには雹を伴うところもありました。広州市では、豪雨による道路の冠水が特に深刻でした。14日には広州華商学院の地下図書館が浸水し、首の高さまで水に浸かり、取り残された学生が避難したほか、学校の塀の一部が崩壊しました。16日になると、広州市天河区などの商業エリアも大きな被害を受けました。有名な沙河衣料品卸売市場では、大量の輸出用婦人服を扱う店舗が浸水しました。店主たちは、フォークリフトでも運べないほど泥水に浸かって重くなった商品を前に、途方に暮れる姿が見られました。さらに、市内の複数の生鮮市場や大型スーパーも浸水し、大量の商品が廃棄処分となりました。流れの速い冠水した路上では、市民の電動自転車が流されました。歩行者が濁流に巻き込まれそうになる事態も発生し、通りかかったフードデリバリーの配達員らに無事救助される一幕もありました。珠海市などの地域でも、深刻な冠水によって市街地の道路が川のようになり、車が水の中を船のように進むなど、交通網に大きな支障が出ました。

 記録的な大雨は、人々の生活や財産に甚大な被害をもたらしただけでなく、各地で思わぬ影響も及ぼしています。豪雨後の広州市の街頭では、水から逃れるために群れをなしたゴキブリが路上に這い上がり、通行人を驚かせました。また、広西チワン族自治区防城港市では、豪雨の後に大量の魚が冠水した道路を群れになって泳いでいく珍しい光景が目撃者によって撮影され、インターネット上で話題を呼びました。続く極端な天候に対し、南部各地では今もなお、懸命な救助活動や復旧作業が続けられています。

(翻訳・吉原木子)