「なんてことだ!この通りを見てくれ、今年は実店舗の商売が本当に厳しすぎる。ぐるっと回ってみれば分かるけど、閉店した店がどれだけ多いか。どこも在庫処分、貸店舗の張り紙ばかりだ。しかも全然借り手がつかない。後ろのあの一帯なんて、十数店舗が全部閉まったままだ。

 昔はここ、この県で一番にぎわっていた通りだった。空き店舗が出ても、数日で次の店が決まっていた。でも今は違う。1年たっても借り手が見つからない店まである」

 「おい、攸県の人たちはみんなどこへ行ったんだ? 統計では常住人口20万人って話だけど、本当にもう一回調べ直したほうがいい。俺の感覚じゃ、実際に残ってるのはせいぜい2万人くらいだ」

 地方財政の悪化、基幹産業の不足や倒産、不動産価格の下落圧力も強まっています。こうした問題が重なり、中国では近年、小さな県城が次々と衰退していく現象が大きな話題になっています。

 多くの三線・四線都市では人口流出が止まらず、実質的な「ゴーストタウン」と化しているのです。

 現在、中国各地の小都市では、通りから人影が消え、ショッピングモールのテナントは空きだらけになり、夜になると住宅街の明かりもほとんど消えています。若者たちは都市部へ出たまま戻らず、地元には高齢者だけが取り残されている状況です。河北省などでは、一部の村で空き家率が5割を超えています。

 中国の小都市が空洞化している主な理由は、以下の通りです。

 まず一つ目は、人口の大規模移動です。

 若者たちは北京、上海、広州、深センなどの大都市、あるいは二線都市へ流れ、より多くの仕事や生活環境を求めています。その結果、小さな県城では高齢化が急速に進み、一部では人口がマイナス成長に転じています。

 二つ目は、資源と産業の集中です。

 医療、教育、産業といった優良な資源は、北京・天津・河北を中心とした巨大都市圏や、長江デルタ、珠江デルタなどへ集中しています。そのため、小都市では実体産業を維持できなくなっています。

 三つ目は、行政区画の再編です。

 人口減少や経済の行き詰まりによって、一部の県は「区」に編入されたり、他地域と統合されたりし、独立した行政単位として消えていっています。

 専門家は、中国全体で出生率が下がり続け、都市化率が一定水準へ達したことで、今後も小都市の衰退と大都市への集中はさらに進むと分析しています。

 この流れが続けば、競争力を失った小都市は、人々の視界から徐々に消えるか、別の形へ転換していく可能性が高いと見られています。

 一方で、都市圏への集中は資源利用効率を高めるという面もあります。しかしその代償として、地域格差の拡大や、空洞化した地方の統治問題が深刻化しています。

 分析によると、多くの県城の衰退は、急激な人口減少と直結しています。

 鳳凰網が2023年4月の報道によると、中国の著名な経済研究機関「沢平マクロ」が、中国全土3000の県城について、2010年から2020年までの人口移動データを比較した結果、人口流出が起きた県は1676か所に達し、全体の77.9%を占めました。

 これは前の10年間より14%増えています。

 人口流出が起きた四線都市は45%から57%へ、五線都市は71%から83%へ、六線都市では69%から86%へ上昇しました。

 最近では、多くの中国ネットユーザーが動画を投稿し、自分たちの地元の県城がどれほど寂れているかを公開しています。

 そこには工業もなく、経済を支える産業も存在しません。若者の就職先の多くは公務員などの行政系職種に限られており、県城の消費活動も、そうした公務員層によって支えられている状況です。

 動画には共通した光景が映っています。

 昼間でも通りに人がほとんどおらず、大量の店舗が閉鎖。売却や賃貸の張り紙だけが並びます。

 夜になると、巨大な住宅団地が真っ暗になり、わずかな部屋だけに明かりが灯っています。

 あるブロガーは、山西省太原市の街の様子を撮影しました。午後5時だというのに、街には人も車もほとんどおらず、道路沿いの店舗はすべて閉まっていました。

 別のブロガーは、四川省のある小さな町を紹介しています。

 「ここは重慶市から山一つ隔てただけの場所だ。でも工業がまったくない。3万人が出稼ぎに出て行き、今では子どもの数より家のほうが多い。大量のマンションが空き家だ。不動産価格は完全に底まで落ちた。

 3LDK・110平方メートルのマンションが、たった約115万円(5万元)で買える。水道、電気、ガス完備。それでも誰も買わない。最安では1平方メートルあたり約1万円(460元)まで下がっている」

 BBCは、中国の県城で収入減少が進み、地方財政が深刻な危機に直面していると報じています。

 特に、土地売却収入の急減と財政赤字の拡大が大きな問題になっており、一部の県では公務員の給与削減や罰金徴収の強化によって運営を維持している状況です。

 2025年末時点で、中国地方政府の土地使用権売却収入は4年連続で減少し、2025年は前年比14.7%減となり、2021年のピーク時からほぼ半減しました。

 さらに、2025年の全国一般公共予算収入も、近年では珍しい低成長となり、一部地域ではマイナス成長に陥っています。企業撤退と人口流出によって税収基盤が崩壊し、地方政府の財政余力は急速に失われています。資金不足のため、多くの県城では大量の公務員を維持できなくなっています。各地方政府は定員削減を急速に進めており、この安定した職も、今ではどんどん減っています。

 経済観察網は2024年7月、山西省が人口減少地域を対象に、大規模な行政改革を始めたと報じました。

 婁煩県(ろうはんけん)では、公的機関の定員が3000人超から341人へ削減され、削減率は88.6%。

 河曲県では1964人から659人へ、削減率66.4%。

 浮山県では1944人から970人へ減少し、削減率は50.1%でした。

 山西省だけではありません。

 青海省、甘粛省、江西省、湖南省などでも、同様の行政改革が次々と始まっています。

 理由は単純です。多くの県城が、すでに赤字財政に陥っているからです。 中には給与の支払いすら難しくなっている地域もあります。 公務員たちの間では、「年末ボーナスが消えた」「各種手当がなくなった」「月給が約7万円(3000元)しかない」といった不満の声が増えています。

 巨大な財政赤字を埋めるため、地方政府は借金を増やすか、罰金を強化するか、あるいは中央政府からの財政移転に頼るしかありません。しかし近年、中国では中央から地方まで財政状況が悪化しており、「節約生活」や「家財を売ってでも資金確保」といった言葉が日常的に使われるようになっています。

 中国の小さな県城の衰退は、決して偶然ではありません。人口流出、産業の空洞化、財政枯渇という三つの危機が同時に進行した結果なのです。 都市化の加速と出生率低下という二重の圧力の中で、この流れが短期間で止まる可能性は低いと見られています。 もし有効な政策支援や産業再建が行われなければ、中国の多くの小県城は、今後さらに経済地図の中から姿を消していくかもしれません。

(翻訳・藍彧)