近年、中国の自動車工場が次々と倒産しています。高級車種を対象とした中国の新興自動車メーカーである高合汽車は、2月18日に6ヶ月間の生産停止を発表しました。高合汽車は2019年7月に設立され、高級電気自動車市場に特化しています。中国の電動自動車業界が激しい競争にさらされている中、業界では高合汽車が威馬汽車に続き、次に破産再編を迎える可能性があるメーカーと見られています。

 昨年10月9日、威馬汽車は破産再編を申請しました。威馬汽車は、中国で最初に大量生産を実現した新興自動車メーカーの一つです。

 中国政府は2014年に電気自動車産業の促進を図り、中国では「熱狂的な」自動車製造ブームが起こりました。2018年までに、新興自動車メーカーの数は最大で400社を超えました。しかし、2019年以降、ほとんどの新興自動車メーカーが倒産または経営危機に陥りました。現在、生産を続けている新興自動車メーカーは約10社程度に過ぎません。

 中国問題の専門家である王赫氏は大紀元に対し、「これらの倒産した新興自動車メーカーは、その出自が複雑であり、動機も単純ではなく、多くが自動車製造を名目に資金を集めていました。彼らの生産能力や製品品質が劣っていたため、淘汰されるのは避けられませんでした」と述べました。

 この「熱狂的な製造ブーム」の中で、各地方政府が非常に重要な役割を果たしました。2020年9月、威馬汽車は100億元のDラウンド資金調達を完了し、新興自動車メーカー史上最大の単一ラウンド資金調達記録を打ち立てました。この資金調達には江蘇省昆山市、安徽省合肥市、湖南省衡陽市など、多くの地方政府が関与していました。

 台湾政治大学東アジア研究所の丁樹範名誉教授は大紀元に対し、「一部の中国自動車メーカーは地方政府の支援を受けていますが、現在多くの地方政府が財政難に直面しており、以前のように長期的な支援を提供することが困難になっています。これらの企業の倒産の傾向は、簡単には変わりそうにありません」と述べました。

(翻訳・吉原木子)