中国経済が低迷し、消費のダウングレードがコーヒーにも広がっています。大手チェーンブランドは今年、9.9元(約200円)の低価格コーヒーを発売し、消費者を奪い合っています。こうした消費のダウングレードによる価格競争は、大量の独立したコーヒー店の閉店ラッシュを引き起こしました。不完全な統計によると、少なくとも4.4万軒のコーヒー店が閉店したといいます。


 中国のコーヒーチェーン大手の「コッティ コーヒー(庫迪咖啡)」はコーヒー一杯あたりの価格を8.8元(約180円)に設定した後、同じコーヒーチェーン大手の「瑞幸咖啡(ラッキンコーヒー)」は9.9元のコーヒーを打ち出しました。その後、中国のコーヒー業界の価格競争が激しくなり、多くのコーヒー店は期間限定のセール価格やクーポンを提供せざるを得なくなりました。

 今回の価格競争で最も大きなダメージを受けたのは、20元から30元の価格帯で販売している独立系コーヒー店です。不完全な統計によると、10月29日までに中国で約4.4万軒のコーヒー店が閉店したといいます。

 あるコーヒー店の経営者は、「コッティコーヒーとラッキンコーヒーが私の店の隣に出店したので、本当に困っています」と訴えました。この経営者によると、今年5月、コッティコーヒーとラッキンコーヒーが自分の店よりわずか200メートル未満の距離に相次いで出店し、それから売上高が激減したといいます。彼は仕方なく8.8元の低価格商品を打ち出しましたが、すぐに損失を出し始めました。

 また、別のコーヒー店の経営者は、「私も9.9元のアメリカンコーヒーを発売した。しかし、この値段では全く利益が出ない。商売が繁盛すればするほど赤字が増える。私たちはどんなに頑張っても大手チェーン企業には勝てない」と述べました。

(翻訳・吉原木子)