中国不動産開発大手である世茂グループ(シーマオ・グループ)は、深センの竜崗区に中国で一番高いビル「世茂深港国際センター」を建設すると宣言したが、同プロジェクト用地が今週、競売にかけられた。スタート価格が2割引になったにもかかわらず、誰も関心を示さず、最終的に流札となった。

 「世茂深港国際センター」プロジェクトの敷地は、総面積243,600平方メートルで、スタート価格が130.4億元(約2590億円)で、評価額の80%に相当する。

 「世茂深港国際センター」プロジェクトは3年前に信託融資により数百億元の資金を調達したが、不動産市場の低迷や資金調達の困難で、昨年初めには予定通りに投資家への返済を行えないと発表した。司法訴訟の結果、同プロジェクトは14のブロックに分けて、競売にかけることになった。

 世茂グループは2017年に240億元(約4770億円)でこの用地を落札した後、さらに504億元を(約1兆元)投資して、ここに高級な国際化総合施設と中国で一番高いビルを建設すると発表した。しかし、5年半が経った今も、ここはまだ空っぽで雑草が茂っている。

 一部の分析家は、今回の競売は、開発業者が普遍的に資金不足で、このような巨大なプロジェクトを引き継ぐ余裕がないことを示している。また、現在の不動産市場全体の低迷も表れていると分析した。

(翻訳・吉原木子)