ここ数年、台湾海峡の情勢は悪化し続けており、中国共産党(以下、中共)当局は頻繁に台湾を挑発しているほか、昨年の第20回党大会では「『台湾独立』に断固として反対し、抑え込む」という表現を党規約に明記し、「武力使用の放棄を承諾しない」と何度も強調した。多くの専門家は2027年までに中共が台湾を侵攻すると予測している。一部の小粉紅(しょうふんこう、中華人民共和国における1990年代以降に生まれた若い世代の民族主義者のこと)はネット上で過激な発言をし、中国国民の本音はなかなか聞こえない。

 しかし、中国ではこのほど、「戦争が起こったら、絶対に戦場に行かず、子供も行かせない」と題する反戦の記事がネット上で話題となり、327万人以上が閲覧し、1万以上のコメントが残った。

 この記事には、「戦争が起こったら、私は戦場に行かず、子供も行かせない。私は社会の底辺に生活している人間だ。平和な時は誰も私たちのことを覚えていない。困った時にやっと私たちのことを思い出した。国の大事は一般庶民にも責任があるなんて、社会福祉や公的援助を享受する時、私たちは平等に扱われたことがない。戦場に行きたければ、行けばいい。どうせ私は行かない、私の子供にも行かせない」と書いた。

 この記事は中国の各プラットフォームでリツイートされ、多くのネットユーザーの共感を呼んだ。「高官たちの子女や家族はアメリカで贅沢な生活をしている。なぜ、私たちは戦場に行かなければならない」、「武器を渡してくれれば、私を無理やり戦場に行かせた奴を、先ず最初に狙うのだ。ほかの者に恨みはない」、「戦争を煽るやつは民族の罪人だ」、「私が一番先に敵の道案内をする」などのコメントが多くあった。

(翻訳・吉原木子)