天津市薊州区の街中に数百台の自走砲車両が走っている。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国共産党第20回全国代表大会(党大会)を控え、北京の中央幹部から一般市民まで、緊張な雰囲気に包まれている。最近、北京周辺に大量の軍用車両が出現する動画がネット上で話題になっている。

 ネット上で6日に投稿された動画では、天津市薊州区(けいしゅうく)の街中に数百台の自走砲車両が走っている様子が映っている。薊州区は天津市の北端に位置し、北京とは香河県(こうがけん)を挟んでおり、北京市の中心部から約100キロメートルしか離れていない。こんな敏感な時期に、大量の軍用車が薊州区に現れ、ネット上で様々な憶測を呼んでいる。

 習近平再選の可能性は高いが、最近は奇妙なシグナルが多い。例えば、8月31日に閉幕した中国共産党の北京駐屯地第10回大会では、習氏の側近である蔡奇氏が北京市党委書記兼北京駐屯地党委第一書記として出席して発言したが、北京駐屯地の傅文化司令官は出席しただけで発言はなかった。

 駐屯地は陸軍の直轄地であり、5年前の第19回党大会の前には、北京駐屯地の第9回大会が開かれ、当時の陸軍司令官韓偉国氏が出席して発言した。今回は陸軍司令官である劉振立氏は出席しなかった。

 駐屯地は周辺にある中央の近衛兵(このえへい)として知られており、指導者はこの敏感な時期、このような場で発言すると、絶対的な忠誠心、習近平思想への支持、軍事委員長の責任など、支持する立場を表明しなければならないのだ。今回、陸軍司令官は来ておらず、駐屯地司令の政治委員も沈黙し、軍部はまだ様子を見ているのではないかとの憶測を呼んでいる。

(翻訳・藍彧)