中国河南省商丘市で16日、多くの未完成物件の所有者が街頭に出て、横断幕を掲げて抗議デモ行進を行った。(ツイッター動画のスクリーンショット)

 中国河南省商丘市(しょうきゅうし)で16日、多くの未完成物件の所有者が街頭に出て、横断幕を掲げて抗議デモ行進を行った。

 ネット上の流れる動画では、100人近くの商丘市の物件所有者が、「延期を拒否、未完成物件を拒否、工事の全面再開と予定通りの引渡しを要求する」、「無節操なジンコー・プロパティー・グループ(不動産会社)、わざと工期を遅らせ、所有者を騙す」などの横断幕を掲げ、スローガンを叫んでいる様子が映っている。これはこれまで、未完成物件の騒動以来、所有者が街頭に出て抗議デモ行進を行なう稀なケースである。

 今年7月以来、中国各地で不動産破たん事件が多発している。同時に、中国語のSNS上では、未完成物件の所有者らから、「集団で住宅ローン返済を中断する」という通知書が多く出回り、大規模な抗議デモも行なわれている。

 陝西省銀行保険監督局の外で、千人以上の人々が7月14日、横断幕を掲げ、不動産デベロッパーへの融資が違法だとして銀行を調査するよう求めていた。所有者たちは「違法な貸し付けだ」と叫んで抗議し、現場には大勢の警察官が駆けつけ、警戒していた。

 中国の不動産研究機関・易居研究院シンクタンクセンターの厳躍進氏が発表した「2022年全国未完成物件研究報告」によると、7月16日まで、中国には少なくとも271件のローン返済中断通知書があり、異なる省・市に属しているとのこと。中でも、河南省、湖南省、湖北省は数が多い。

 武漢市の未完成物件の所有者(29歳、女性)は、集団で住宅ローン返済の中断をする事は最後の手段だと嘆く記事を投稿した。これが当局への圧力となり、物件の工事が続くことを願うばかりであると述べた。「これでもだめなら、物件はもういらないから、取り上げるなら取れば!少なくとも、自分の生活のために、最後の体面を保つことができる」

(翻訳・藍彧)