Loyola University Maryland(public-domain)

 米ロヨラ大学メリーランド校ビジネススクール副学部長の丁弘彬(ひん)教授は最近、米中経済のデカップリング(切り離し)は起こっており、多くの大手多国籍企業が中国からの撤退計画を発表するなど、この状況はしばらくの間続くだろうと述べた。

 ボイス・オブ・アメリカによると、丁教授は、最近の米中貿易統計はデカップリング傾向を完全に反映していないが、米中間の貿易ペースが減速していることは明らかだと考えている。彼は、多くの多国籍大企業が現在中国から撤退していることに触れ、「完全に撤退していない企業も、少なくとも中国での事業を大幅に縮小している」と述べた。

 最新のデータでは、米国と香港間の貿易は2020年に11%、2021年に2.4%減少し、一方、米国とベトナム間の貿易は2020年と2021年にそれぞれ16%と14%に伸びている。

 これについて、丁氏は、「ベトナムを世界の新興工場と考えれば、米国とベトナムの間の貿易データをみると、ベトナムが中国に取って代わるものとして非常に有望である」と述べた。

 米経済学者アラン・トネルソン氏は、習近平政権の下で「毛沢東主義」に回帰し続ける中国は、数年前には想像もできなかったほど、中国経済への賭けを減らすという世界の決意を強めるだけだと考えている。

 欧州やアジアの国々は、中国とのデカップリングが米国ほど進んでないが、サプライチェーンの強靭性や国家安全保障への懸念から、企業の調達先を多様化し、通信やロボットなどの分野での中国の関与を制限することを決定したと、トネルソン氏は述べた。

(翻訳・藍彧)