車両ごと焼けた状態の写真(ツイッター動画のスクリーンショット)

 2月にクーデターで実権を握ったミャンマー国軍と少数民族の武装勢力との戦闘が激化する中、東部カヤ州の町で24日、女性や子供を含む民間人約30人の遺体が焼かれた状態で発見された。

 ロイター通信によると、25日早朝、人権団体「カレンニー・ヒューマンライツ・グループ」は、東部カヤ州プルソ郡で、女性や子どもを含む少なくとも35人の遺体が見つかったと伝えた。遺体は数台のトラックの荷台に積まれたあと火をつけられ、車両ごと焼けた状態で発見されたと明らかにした。犠牲者には、老人、女性、子どももいた。

 車両を発見した地元の反国軍組織、人民防衛軍(PDF)によると、彼らが得た情報では、前日、国軍はプルソ郡の近くで地元の戦闘員と衝突し、その後、複数の軍用車両がこの地域に停泊していたという。

 フランス通信社(AFP)の取材に応じた目撃者によると、24日夜に火災が発生していたが、現場から銃声が聞こえたため、恐ろしくて確認に行けなかったという。 「26日の朝、何が起こったのか調べるために現地に行ったところ、2台のトラックの中に黒焦げの遺体27体を発見した。トラックの中には別の遺体もあったが、焼け焦げていて数えるのが難しい」と目撃者が語った。

 匿名を求める目撃者は、犠牲者らは24日、国軍と抵抗勢力の戦いを避けて難民収容所に向かっている時、国軍に逮捕されて殺害されたと話した。また、遺体の損傷がはげしく、焼かれる前にロープに縛られていたと推定されると明らかにした。別の目撃者は、32人の遺体を見たと伝えた。

 これに対し、この地域で国軍と対抗している民兵組織「カレンニー国民防衛隊(KNDF)」は、「極悪非道で反倫理的な犯罪」と批判した。このことから、国軍が避難しようとした民間人を抵抗勢力と考えて残酷にも殺害した可能性がある。

 国軍は、民間人殺害疑惑に対するAP通信などの取材要求に応じず、25日に官営メディアを通じて「カヤ州で国軍と抵抗する少数民族武装勢力の衝突があった」とだけ伝えた。抵抗勢力に加担する疑わしい車両7台が国軍の停止命令に応じず、攻撃を受けた後、反撃して多数の人を殺害したと付け加えた。

 ミャンマーは2月のクーデター以降、混乱が続いている。現地の観察者団体によると、国軍による弾圧で1,300人以上が殺害されたという。現在、死者の数が増えていることが懸念されている。

(翻訳・藍彧)