中国山東省平度市雲山鎮党委書記の王麗(おう・れい)氏(ネット写真)

 中国山東省平度市雲山鎮党委書記の王麗(おう・れい)氏(女性)が、上京する陳情者を脅迫する録音が最近、ネット上で話題になっている。この役人は陳情者を逮捕する方法が100通りあると威張り、中国ネットユーザーの怒りに火をつけた。

 録音から、王麗氏が部下に陳情者を脅かすように命じた様子が如実に窺える。「あの家族が死を恐れないなら、上京して陳情すればいい。私もとことん付き合おう。そういうふうに家族に伝えよ。家族にはそれ以外何の手段もない。北京へ陳情に行く以外に何ができるのか?平度市が全力を挙げて阻む。我々には武力、人力、物量、金、精力などはるかに家族を上回っている。あの家族には幼い孫2人がおり、さらにお腹の中にも子供が1人いる」

 王麗氏はまた、各級政府や公安当局が陳情者の息子を逮捕することを検討していると述べ、最後には、「私はとことんやる、彼の息子を犯罪者にする方法は100通りある」とまで叫んでいた。

 この録音はすぐに、ネット上で話題となった。中国のネットユーザーは、これが人民の公僕なのか、それとも腹黒とした邪悪な力なのか、と疑問を呈した。世論の圧力により、平度市公式は26日、王麗が仕事をする際、やり方が強引で、発言が不適切であり、停職して調査するとともに、当事者に謝罪するよう命じたと通知を出した。

 この公式の通知に対し、中国のネットユーザーのさらなる怒りが引き起こされた。「これは発言が不適切と言えるものなのか?露骨な脅迫だよ。平度市政府よ、脅迫とは何かを説明してくれ」、「世界を見渡せば、他のどの国の地方政府が暴力団のように一般市民を脅すのか」

 中国メディア「上遊新聞」によると、27日午後3時ごろまでに、脅迫された謝さんとその家族は王麗氏からいかなる形の謝罪も受けていないという。

(翻訳・吉原木子)