高智晟氏と張 展氏は2020年度と2021年度の「林昭自由賞」を受賞した。(ネットより)

 米国の人権団体「対中援助協会」は7日、ワシントンで大会を開催し、中国人権弁護士の高智晟(こうちせい)氏と市民ジャーナリスト張 展(ザン・ザン)氏に2020年度と2021年度の「林昭自由賞」を授与した。

 ラジオ・フリー・アジアの報道によると、「改変中国」サイトの創設者である曹雅学(そう・ががく)氏は、武漢の新型コロナウイルス感染状況を外部に暴露したため、中国で拘禁されている張展氏を代表して受賞した。曹雅学氏は大会で、多くの人にとって「自由を与えよ、しからずんば死を与えよ」はただのスローガンに過ぎないが、張展氏にとっては体験談だと述べた。「自由を与えよ、しからずんば死を与えよ」とは半世紀以上前、林昭が政治言論のため、中国共産党当局からの迫害を受け、死ぬ前に発表した詩作「海鷗」の副題として使われた。

 もう一人の受賞者は中国の人権弁護士高智晟氏で、法律を片手に「信仰の自由」を守り、長年にわたって迫害され、4年以上行方不明になっている。高智晟弁護士の妻である耿和氏は大会で、「人権と自由を勝ち取ることは人間の本性だ。幾代にも引き継がれて止まない。自由を与えよ、しからずんば死を与えよ。これこそ高智晟が苦境においても、決して屈さない偉大な価値である」と強調した。

 大会の主催者である対中援助協会の傅希秋(ふ・きしゅう)責任者は、今回の授賞は中国の人権危機の実情を外部に伝えるためだけではないとし、「より重要なのは、国際社会がいかにしてこの人権危機の中で、効果的で力強い行動を取り、中国共産党に改心を促すことだ」と述べた。

 Scott Busby(音訳:スコットバスビー)米国務次官補代理(民主・人権・労働担当)は、「金融制裁やビザ制限を含め、人権侵害を犯す者に責任を負わせるために可能なあらゆる手段に取り組み、同じ考えを持つ仲間に同様な手段を取るよう働きかける」と述べた。

(翻訳・吉原木子)