米海軍のファンヤン大尉(右一)(Jakoeb Vandahlen、米海軍中央司令部第5艦隊公式ウェブサイトより)

 米国司法省が15日に発表したところによると、フロリダ州の連邦陪審員は、安全保障上の身元調査の際に虚偽の陳述および中国人と共謀して米国銃器法を違反したとして、米中国系海軍大尉に最高30年の禁固刑を下した。

 連邦陪審員は、ヤン・ファン(Fan Yang、36歳)は、ゲ・ソンタオ(Ge Songtao、中国南京出身、51歳)およびヤンの妻であるヤン・ヤン(Yang Yang、36歳)と共謀し、2丁の銃を購入する際に、連邦政府の認可を受けた銃器販売店に虚偽の書類を提出したこと、および安全保障の身元調査の際に虚偽の書面陳述を提出したことにより、米国銃器法に違反したとして有罪判決を下したと、米司法省が声明を出した。

 裁判で提供された情報によると、ヤン・ファンは米国海軍大尉で、対潜水艦戦の訓練を受けていた。海軍飛行士として、かつて愛称「ポセイドン」の陸上哨戒機P-8を操縦し、センサーの操作や戦術の調整に協力していた。

 ヤンは海軍士官になる前に、中国人のゲ・ソンタオとネット上で知り合い、2人は2013年、ヤンがフロリダ州ペンサコーラで海軍の飛行訓練を受けた時に直接会った。2016年、ヤンがジャクソンビルに移ってきた時、ヤンはゲ・ソンタオに、彼の会社である「上海軽風科学技術会社」に妻のヤン・ヤンを勤めさせることを提案した。同社は、法執行や軍事任務のために設計された海事設備を、米国で購入して中国に輸出している。

 裁判では、ゲ・ソンタオがヤンの妻を雇い、ヤンの家を訪ね、ヤンに旅費を支払っていたにもかかわらず、ヤンは米海軍に二人の関係を隠していたことが明らかになった。司法省によると、2017年と2018年に、ゲ・ソンタオの指示で、ヤンが自分用に拳銃2丁を購入したと偽っていた。ヤンは米海軍で最高機密許可の権限を持っており、2019年1月にジャクソンビルにある海上パトロール・偵察兵器学校の教官として配属された時、最高機密許可の更新の一環として、身元調査票に署名した。同調査票では、外国人とのいかなる親密な関係や継続的な接触などを含む情報開示を求めていた。ヤンは、ゲ・ソンタオとの関係を隠蔽し、また、中国に銀行口座を持っていること、ファミリービジネスのために働くことがあること、期限切れの中国のパスポートを持っていることを隠していた。

 司法省の発表によると、2020年11月2日、ゲ・ソンタオは共謀で連邦政府の自動輸出システムを通じて虚偽の輸出情報を提出し、米国の法律に違反して米国特殊部隊の海上攻撃艇とエンジンを中国に不正に輸出した罪を認めた。2021年7月14日、禁固刑3年6カ月の判決が下された。ヤン・ヤンはゲ・ソンタオと同じ罪名で起訴され、2020年9月15日に罪を認めた。

(翻訳・徳永木里子)