ロシア軍のT-14戦車(Boevaya mashina, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 ロシアの防衛産業関係者はこのほど、ロシア軍の装甲戦闘車両は周囲の環境に応じて変色できる「カメレオン」コーティングを施し、この「ステルス技術」を将来の戦場で活用することを明らかにした。実験用サンプルは現在テストを受けている。

 ロシアの通信社「スプートニク」によると、「変色カモフラージュ」システムは、個別に設定された多数の「薄いフレーク」で構成されているという。同システムは、カメラを通じて環境の情報を収集する。コンピューターが得られた画像の色や構造を分析し、実際の周囲の状況に合わせてコーディングの色を調整し、適切なカモフラージュ画像を作成する。変色コーティングは電流を通されてから色を変える。

 「カモフラージュは、環境の変化に瞬時に反応する。例えば、戦車が野原にあり、コーティングの色が1種類だった場合、位置を変えて別の風景を背景にしたとき、コーティングは環境に溶け込むように迷彩の色に変色できる。そして、カモフラージュシステムは、周囲の風景の色だけでなく、構造や素材までも模倣できる視覚効果を生み出せるのだ」と同関係者は述べた。

 また、「コーティングが風景に溶け込んでいるため、『ステルス』効果が顕在化し、自動追尾ができなくなる。専門的な訓練を受けた人でも、遠くから肉眼で識別するのは難しい」と述べた。

 同報道によると、ロシア軍の戦闘車両に施された新しいカモフラージュは、航空機やドローンの電気光学レーダー局、地上設備の照準、ナビゲーションシステムなど、敵のテレビ光学機器を有効に機能させることができなくなる。同カモフラージュは、戦車、歩兵戦闘車、装甲輸送車など、さまざまな装甲戦闘車両に使用される。未来の戦場でも「奇襲」と「攻撃」の効果を発揮することができる。

(翻訳・徳永木里子)