インド軍の戦車(T-90_Bhisma.jpg: cell105 (flickr user), CC BY 3.0, via Wikimedia Commons)

 100人以上の中国共産党(以下、中共)軍の兵士が先月、中印国境を越え、一部のインフラを破壊した後に退却したことを、インドのメディアは9月28日に明らかにした。中印国境の緊張感は再び高まっている。インドは今、史上最大の軍事改革を行っている。

 インドのメディア「エコノミック・タイムズ」によると、100人以上の中共兵と55頭の馬は8月30日、ウッタラカンド州バラホティで国境線を越え、中印国境から約5キロ離れたバラホティ近郊の牧草地に約3時間滞在したという。この地域は非武装地帯であるため、中共軍の出現は地元の人々の注意を引き、地元民は近くにいるインド国境警備隊に報告した。しかし、中共軍はインド国境警備隊が到着する前に、橋などのインフラを破壊して撤退したという。

 同報道は、バラホティはインドと中国の国境紛争の主要な火種にはなっていないが、1962年の中印国境戦争で国境を越えて最初に侵攻された地域であるため、インド側はそこを非常に気にしており、インド軍が事故防止のために周辺の部隊配置を強化していることを指摘した。

 インドのナレンドラ・モディ首相は、中共の脅威に対する防衛協力を補完するために、陸・海・空軍を統一された指揮システムに段階的に統合しており、最大の軍事改革を行っている。

 インドのラージナート・シン国防相は先月、「国防省は統合戦闘群の編成を真剣に検討している。戦争では、迅速な意思決定が重要な要素となる。これらのグループは、迅速な意思決定を促進するだけでなく、統合された戦闘部隊の数を増やすこともできる」と述べた。

(翻訳・徳永木里子)