アメリカ合衆国のワシントンD.C.にあるキャピトル・ヒル(イメージ:パブリック・ドメイン)

 3月6日水曜日、3名の米国上院議員が国家情報長官ダン・コーツに書簡を送り、中国共産党政権による米国選挙への干渉工作を公開するよう要求した。ボイス・オブ・アメリカが報じた。

 報道によると、米国民主党上院議員ロン・ウィデン、マーティン・ハインリックとカーマラ・ハリスは書簡で次のように書いた。「米国の選挙に対する干渉ほど重大な事項はない。私たちと対立する勢力がどのような活動を行ったのか、どの程度行ったのかについて米国民は知るべきである。」

 上院議員たちは、「米国民が外国の影響力を認識する能力、及び公務員が有効な対策を制定する能力は、情報公開にかかっている」と主張した。報道によると、上院議員はコーツ氏に対し、2018年10月31日付けの一通の書簡を機密解除するよう求めたが、叶わなかった。その書簡には中国共産党政権による米国選挙への干渉が詳細に書かれている。

 トランプ大統領は去年9月、「北京はずっと2018年度中間選挙に干渉しようとしている。そして、トランプ政権に反対している」と述べた。トランプ大統領は国際連合安全保障理事会(UNSC)会議を主催した時、「彼ら(北京)は私たちに勝ってほしくない。なぜなら、私は初めて貿易問題において中国に挑戦した大統領だからだ。我々は貿易問題で勝ちつつある。きたる選挙では彼らに」とも述べた。

 ペンス米副大統領は去年10月4日、ハドソン研究所(Hudson Institute)で対中政策についての演説を行った。ペンス副大統領は演説において、中国共産党政権が米国選挙に干渉し、政府をフル稼働させて米国内政に干渉したことを批判した。去年9月23日、中国国営英字紙・チャイナーディリーは米国選挙の激戦地・オハイオ州で最大規模の新聞「デモイン・レジスター」紙に4面の広告を掲載し、トランプ氏に対するネガティブ・キャンペーンを行った。

 ボイス・オブ・アメリカの報道によると、国家情報長官ダン・コーツ氏は2月8日に上院議員ウィデン氏に宛てたもう一通の書簡の中で、中国共産党は「2018年度米国中間選挙に影響を及ぼそうとしている国の一つである」と指摘した。そして中国共産党による干渉は「大衆の感情と政府の製作に影響を与え、民主主義制度そのものに対する自信を破壊させるもの」だと指摘した。これはロシアによる直接的な干渉とはまた異なる手法である。

 中国共産党は近年、経済力や政府系メディア、孔子学院等を利用して西側諸国における影響力の拡大を行い、大々的にプロパガンダを行ってきた。さらに中国共産党が行ってきた政治献金や、学問の自由に対する干渉も批判されている。

(翻訳・宛漣音)