中国にある韓国系企業・サムスン重工業の造船所の中国人従業員数千人が抗議活動を行っている。(ネット写真)

 中国浙江省寧波市にある韓国系企業・サムスン重工業の造船所で9日、造船所の閉鎖を知った中国人従業員数千人が「サムスンは私の家。私は仕事が欲しい。家族を養わなければならない」などと書いた横断幕を掲げて、抗議活動を行いました。

 台湾の中央通訊社の11日付の記事によると、従業員は7月に閉鎖を知りましたが、会社側から十分な説明がなく、そのため9日に抗議活動を行って、会社側に説明や補償を求めました。

 抗議の当日、韓国籍の幹部6人が従業員の代表と協議しましたが、結果は出ませんでした。従業員によると、韓国の本社から7.5億元(約128億円)の補償などの資金が送られてきましたが、いまだに公表されていないといいます。

 同造船所ではまだ7〜8隻の船体が建造中ですが、従業員はすでに仕事に手をつけずにいて、多くの関連業者も撤退してしまい、 一部の工場では設備の解体をし始め、順次に他社に移管し始めています。同造船所は1995年に設立し、約4500人の従業員がいるといいます。

 韓国が2016年、在韓米軍に THAADミサイル(終末高高度防衛ミサイル)を配備することに同意したと発表してから、中国で反韓ムードが起き、韓国企業の中国からの撤退が止まりませんでした。 サムスングループは、2019~20年、中国でのスマートフォンとテレビの生産ラインをそれぞれ終了し、ベトナムなどに移転しました。

 中国での外資撤退だけでなく、習近平総書記の対策により本土の企業も潰されるなか、中国の失業者は増える一方です。

(新時代Newsより転載)