アメリカ同時多発テロ事件(以下、9.11)から20周年を迎えた際、トランプ前大統領はインタビューで、米国の国家安全保障の話題を取り上げ、自分が大統領在任中に米軍を再建したが、それはタリバンに与えるためではなく、米国を辱めるためでもないと嘆いていた。トランプ氏の発言は、バイデン現大統領がアフガン撤退の失敗を彼のせいにしたという主張の反論にもなる。

 トランプ氏は8日に、ニュースマックスTVに出演し、「9.11」の20周年について語った。トランプ氏は「あれは唯一無二の1日だった。だからこそ、軍隊を再建しなければならないのだ。残念ながら、彼ら(バイデン政権)は私が再建した米軍をタリバンに渡してしまった」と述べた。

 約15分間のインタビューで、トランプ氏は、バイデン大統領が米国民の避難をまず確実にせずにアフガニスタンから軍を撤退させ、さらに無条件に撤退を実行して失敗したこと、米軍の先端兵器と物資をタリバンに残し、米国の敵の軍備力を強化したことを非難した。

 米国政府説明責任局(GAO)が1月27日に発表した報告書によると、米国は2002年から2018年の間に、アフガニスタンの治安部隊の訓練、武装、構築のために約850億ドル(約9兆3670億円)を費やしている。

 米国はまた、数十億ドルに相当する少なくとも10の軍事施設を旧アフガン政府に引き渡したが、これらも現在はタリバンの手に渡っている。アフガニスタン復興担当特別監察官(SIGAR)の報告によると、5億6000万ドル(約617億円)以上価値のある戦略的に重要なバグラム空軍基地は、今年7月1日に今は亡きアフガン国防省に引き渡された。バイデン大統領はアフガニスタンからの撤退を、まず空軍を撤退させ、空爆力のある戦略基地を放棄し、最後に地上軍を撤退させるという考えられない軍事的取り決めで実施した。

 トランプ氏はまた、「アフガニスタンで起きたことは最悪だった。今回の撤退は、撤退でも何でもなく、我が国の史上最も無能な対応であった。世界の前で恥ずかしい思いをしている。タリバンに850億ドルもの世界最高の軍事装備を与えたことは、先週我々が受けた苦しみ以上に恥ずかしいことはない。現在、彼ら(タリバン)は世界で最も軍備の良い軍隊の一つだ。信じられるか?以前はナイフしか持っていなかったのに、今では最高の飛行機、戦車、トラックを持っている」と述べた。

(翻訳・吉原木子)