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 インドで発見された新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)のデルタ変異株(b.1.617.2)は現在、世界100以上の国・地域に広がっている。最新の研究では、デルタ変異株はこれまでに流行していた変異株よりも潜伏期間が短く、感染力が強いことが明らかになった。

 中国のオンライン無料総合ニュースサイト「澎湃(ほうはい)新聞」によると、6月29日、「中国疾病対策予防センター週報」は、今年5月から6月にかけて、広東省で新型コロナウイルスのデルタ変異株の感染が拡大したとの報告を発表したという。同報告は、広東省の症例におけるデルタ変異株の平均潜伏期は4.4日で、以前報告された武漢市の潜伏期間5.2日よりも短かったと指摘した。また、広東省では、64.7%の感染が症状が出る前に発生し、これまで報告された湖南省の59.2%よりも高かった。報告書の作者らは、一連の重要なデータから、デルタ変異株の急速かつ発症前の感染を抑制することが防疫の重要な優先事項であると結論づけている。

 急速な感染拡大はデルタ変異株の高い感染力を示している。同報告書によると、デルタ変異株はこれまで流行したほかのウイルス株に比べて2倍の感染力があるとのこと。

 また、広州市茘湾区(れいわんく)の75歳の女性が5月18日に症状が現れ、21日に感染が確認された。患者体内のデルタ変異株はその後10日間で、ウイルスが5回変異して増殖した。ウイルスの増殖や変異の速さは驚くほどである。

(翻訳・吉原木子)