空母「山東」(Tyg728, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 国際戦略・軍備・戦史・軍事技術などを研究するフェースブック個人ブログ「新・二七部隊 軍事雜談」は6月29日、撮影日が5月9日だと記録された衛星写真を掲載した。同写真では、中共軍の空母「山東」に複数の構造的損傷が見られ、甲板の損傷も深刻になっている。空母の実戦能力に影響を及ぼす可能性があると、同ブログがコメントした。

 掲載された写真には、飛行甲板の損傷の痕跡だと思われる、大きなリング状の影に丸印を付けた。黒い痕跡は、断裂や複数の小さな穴と見られる。

 空母「山東」の甲板に関する質問に対し、中共当局はまだ正式に回答していない。

 2019年12月17日に正式に就役した「山東」は、空母「遼寧」を原型として設計・建造された。「遼寧」は、本来ならば廃棄されるはずだった旧ソ連の空母「ヴァリャーグ」から改造された空母だ。両空母ともにスキージャンプ式離陸法を採用するため、離陸する戦闘機の重量、武器搭載量および総合的な戦闘力が制限されている。

 例えば、米軍の空母は、1機の戦闘機を20秒間隔で離陸させることができる、カタパルト方式を採用している。 一方、「遼寧」、「山東」両空母は、1機の戦闘機を離陸させるには10分以上もかかり、遭遇戦での勝算は全くない。「『山東』は海に浮かぶ張り子の虎ではないか」と米国の専門家が疑問視している。

(翻訳・徳永木里子)