1998年11月4日にマーシャル宇宙飛行センターの試験設備で試験中のRD-180(Public domain, via Wikimedia Commons)

 モスクワ市裁判所は23日、大量破壊兵器の製造に使用できる材料、技術、技術情報、設備、及び関連サービスを違法に販売、密輸していた疑いで、ロケットエンジン専門家のウォロビエフ氏(音訳)に懲役20年、罰金100万ルーブル(約144万円)の判決を22日下したことを発表したと、ボイス・オブ・アメリカが報じた。ロシアでは20年の判決は、無期懲役の次に厳しい判決の1つとされている。

 ウォーロビエフ氏は、モスクワ航空学院ロケットエンジン研究室の講師で、液体燃料ロケットエンジンの設計・計算や航空・ロケットエンジンの全体理論などを専攻していた。過去10年間に同分野で多くの学術論文を発表した。

 裁判所の判決では、ウォーロビエフ氏の中国共産党との関係は非常に広範囲で強固なものであり、彼はかつてロシアから中国の住民区に入れるよう、わざわざロシアと中国との国境を選んでいたことまで言及されている。

 ロシアのビジネスラジオのアナリストは、今回の判決を受けて、ウォーロビエフ氏が中国に科学技術情報を提供していたのではないかと推測した。ロシアにも他国のためにスパイする科学者は多いが、中国共産党に関わった科学者のスパイ活動の案件が頻発しているという。

(翻訳・藍彧)