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 医療関係者の間ではこれまで、児童が新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)に感染しにくく、疾患の発病率が低いグループだと考えられていたが、新しい研究では、児童が次世代の「ステルス感染者」になる可能性があることが明らかになった。

 6日、香港では7人の感染者が新たに確認され、そのうち1人は生後12日目の新生児で、これまでの香港での最も幼い患者である。同日、香港中文大学医学院は、2021年3月25日時点で香港で確認された1万1429人のうち、929人(8%)が17歳以下で、2割以上(201人)が3歳以下の乳幼児、4割以上(87人)が無症状という調査結果を発表した。

 「アップル・デイリー」の報道によると、香港中文大学医学院微生物学部の責任者である陳基湘教授は、ウイルスは若い細胞の中で長期間生存できるが、必ずしも細胞を破壊するわけではないため、児童は感染されても、ウイルスを排出する時間が長く、症状は必ずしも深刻ではないという。

 同大学医学院は、児童が回復しても、排泄物に感染性のある活性ウイルスが含まれていることを発見した。2020年3月から今年3月までに、1万7500件の検便から22件の確定症例が検出された。そのうち9割にあたる20件が6歳以下の児童であり、7割以上が無症状の「ステルス症例」であった。

 陳基湘教授は、検便を通して、児童はほぼ「ステルス感染者」であり、症状がなくてもウイルス量が高いうえ、活性ウイルスを持つ割合が9割に達し、非常に伝染性が高いと指摘した。

 同大学医学院小児科責任者の李民瞻教授は、「発熱、咳、鼻水は児童が新型コロナウイルスに感染した最も一般的な症状だが、親は普通の風邪だと思い、児童を検査に連れて行かないことが多い」と指摘した。

 また、海外の専門家は、変種株が児童に広まるリスクを警戒している。ミネソタ大学感染症研究政策センター(CIDRAP)のマイケル・オスターホルム所長は4日、変異株の主な特徴として、児童により感染しやすいことが明らかになったと指摘した。しかし、これまで流行しているウイルスは、児童に感染しにくいため、児童の罹患率が成人より低かった。

(翻訳・徳永木里子)