イメージ:Aaron Alien / PIXTA(ピクスタ)

 6カ月の旅路を経て、NASAの火星探査機パーサヴィアランスが遂に火星に着陸し、人類は遂にこの赤い惑星の素顔を確認することができました。

 テスラの共同創設者であるイーロン・マスク氏はかつて、ツイッター上で自分が火星人だと冗談を言いました。多くの人はその話を冗談だと笑いましたが、よく考えてみると、彼の思考は確かに普通の人とは違い、飛躍しています。

 マスク氏は若い頃、父親の支援を受けて弟と一緒にソフトウェア会社を設立しました。4年後、この会社は米国の会社に3億7000万米ドルで買収され、テスラ氏は人生で最初の資金を手に入れました。その後、彼はその資金を使い、オンライン決済PayPal(ペイパル)の前身であるオンライン銀行x.comを設立しました。その後、eBay(イーベイ) に15億米ドルで買収されました。

 十分なお金を稼いだマスク氏は、火星の夢への第一歩を踏み出しました。彼は初め、ロケットを購入し、火星に到着し温室を建設し、様々な種に栄養ゲルを植え、火星表面着陸時に発生する化学反応(水和反応、注)から生命維持を図る予定でした。当初、ロケットを製造するために、1500万から3000万米ドルしかかからないと見積もっていました。しかし、ロケットの購入だけでも非常に高価だとすぐに気づきました。21世紀の初め、米国で最も安いロケットだけでも5000万ドルもします。彼は3回ロシアに価格を訪ねに行きましたが、同様に非常に高額でした。そこで、彼は手元にあるお金を使い、自分のロケット開発を始め、2002年3月にスペースX(SpaceX)を設立しました。送料を節約するために、従来のロケットではなく、小型ロケットの束から大型ロケットを形成し、ロケットを再利用する方法を始めました。

 2007年、マスク氏はテスラを引き継ぎ、3年後には上場させました。10年後、テスラは彼のリーダーシップの下で電気自動車と無人自動車への移行を成功させました。2020年にはテスラはトヨタを抜いて世界最大の自動車会社になりました。

 天上と地上の他にも、マスク氏は地下のプロジェクトを行っています。彼は、地下に真空トンネルを開けて高速巡回列車を走らせるという夢を持っており、このプロジェクトは現在ドバイでテスト段階です。この時点で彼は天上、地上、地下に関わっており、全面的に地球を掌握していることになります。

 それだけでなく、マスク氏の本当に恐ろしいところは、物質的に地球を掌握している他に、精神的にも人類を制御していることです。2016年、マスク氏はディープウェルテクノロジーとブレインコンピューターを扱うニューラリンク社(Neuralink)を創設しました。なぜこの会社が精神面で人類をコントロールしているのかというと、現在、臨床医学は人間の脳は脳波のようなものを発することができることを認めており、それが物質的なものであり、同時に脳の思惟、すなわち人の精神面であるからです。現在、ニューラリンク社が開発した「ブレイン・コンピュータ・インターフェイス」(BCI)のチップは、2匹の子豚で実験されており、子豚の脳波を受信すると同時に、命令を送信し特定の行動をさせるように、子豚を制御することができます。

 マスク氏は世界で最も裕福な男ですが、慈善活動に従事することはめったになく、稼いだ全てのお金は次の計画のスタートアップ資金となっています。今、彼の開発の歴史を辿ると、やってきたことの全ては火星移住計画の準備、または火星に帰るという計画を支援するためのように見えます。彼は故郷に帰ろうとしています。彼は人間の身体で故郷に帰ろうとしているのです。

 彼は火星で死ぬことを望んでいると言いました。

注:水和反応(すいわはんのう)は、有機化学に於いて、アルケンを作る炭素 – 炭素二重結合の炭素にそれぞれヒドロキシル基と水素イオン(プロトン)が付加する化学反応である。(『ウィキペディア』により)

(翻訳・神谷一真)