中国広東省珠海市と香港新界離島区ランタオ島およびマカオ花地瑪堂区を結ぶ海上橋である港珠澳大橋(N509FZ, CC BY-SA 4.0, via Wikimedia Commons)

 中国のニュースサイトの観察者網は、中国国務院が2月24日に発表した『全国総合立体交通網計画概要』で、「京津冀、粤港澳(注)」に交通主軸配置を計画しており、2035年に道路建設を台北まで延ばすと宣言したことを報じた。

 同記事の見出しは「インフラ建設のプロであり、道路を台湾まで建設することに真剣だ」と宣言し、関連計画は10数年にわたって計画し続けてきたという。

 ニュースが流れた後、ネットユーザーから皮肉ったコメントが相次いでいた。「月までのエレベーターを作る計画があってもおかしくない」「私もよく日本やフィリピン行きの鉄道があると幻想している」「ただのプロパガンダだ」

 台湾の三立新聞台は、北京当局の「台湾計画」は今回が初めてではなく、過去には『369海峡鉄道網』や『中長期鉄道網計画(2008年調整)』、『第12次5カ年計画概要』なども台北市をいわゆる「中国交通計画の中枢」に組み入れたが、いずれも実現できなかったと報じた。

 民進党の王定宇立法委員は1日に自由時報のインタビューで、「中国共産党の道路網を台湾まで延長するという幻想は、すでにニュースではなく、かつて2010年に高架橋や海底トンネルを台湾に接続することを提案していた。2011年に中国の実業家陳光標氏が台湾に来た際にも、中国の高速鉄道が台湾に到達するだろうと吹聴していた」と述べた。

 王氏は中国共産党に井の中の蛙にならないよう呼び掛けた。「道路や鉄道が延びたところが同じ国と見なされれば、イギリスやフランスからトルコまで延びるヨーロッパの交通網も同じ国なのでしょうか」

注:「京津冀」とは、それぞれ「京」は北京市、「津」は天津市、そして「冀」は河北省の略称で、中国首都圏における三大行政区のことだ。 粤港澳は、広東、香港、マカオを指す。

(看中国記者・明思/翻訳・徳永木里子)