武漢ウイルス研究所のP4実験室(イメージ:Weibo)

 新型コロナウイルス感染症(武漢肺炎、COVID-19)の起源と疑われている中国科学院武漢ウイルス研究所(以下、武漢ウイルス研究所)は、数年前に実験用の生きたコウモリを入れるケージの特許を出願した。特許権は新型コロナウイルス(中共ウイルス、SARS-CoV-2)が流行し始める数ヶ月前に取得した。

 英紙「Mail on Sunday」2月14日の報道によると、世界保健機関(WHO)が先週、武漢ウイルス研究所からのウイルス流出の可能性は極めて低いと発表した後、この事実が明らかになったという。

 今回の武漢ウイルス研究所の調査に関わったWHOの専門家には、かつて武漢ウイルス研究所の科学者とともに15年にわたりコウモリウイルスの研究に携わってきた英国の動物学者で米非営利団体「エコヘルス・アライアンス」の責任者であるピーター・ダスザック(Peter Daszak)氏も含まれている。ダスザック氏は武漢ウイルス研究所の研究者が実験室で生きたコウモリを使ってウイルステストを行ったことを断固否定した。彼は昨年4月にツイッターで「研究者はコウモリを飼っていない、殺していない。すべてのコウモリはサンプリング後、洞窟に戻している。これは一つの保護措置であり、疾病の伝播においては、殺処分や実験室で飼うよりずっと安全だ」とツイートした。

 しかし、「Mail on Sunday」によると、武漢ウイルス研究所が2018年6月に、人工的な条件下でコウモリを健康的に成長させ、繁殖させることができるコウモリ飼育ケージの特許を出願した。中国科学院のウェブサイトによると、特許の名称は「食虫性コウモリの飼育ケージ」で、特許番号は「CN201820934123.6」である。

 同特許は2019年1月4日に取得され、武漢で最初のウイルス感染症例が取り上げられる11ヶ月前であった。

武漢ウイルス研究所の特許の名称と特許番号(ウェブページのスクリーンショット)

 同研究所は2020年10月16日、野生のコウモリを人工的に繁殖させる方法に関するもう一つの特許を出願した。同特許の説明では、その方法が科学実験のためのコウモリの飼育方法であることが明記されている。

 ダスザック氏はWHOの調査チームのメンバーで、武漢研究所からのウイルス流出は「可能性が極めて低い」と結論づけた。彼らの調査結果は、中国軍と密接な関係にある武漢研究所のスタッフへのインタビューのみに基づいている。

(看中国記者・成容/翻訳・藍彧)

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