ジャック・マー(イメージ:World Economic Forum at en.wikipedia / CC BY-SA

 ジャック・マー(馬雲)氏は昨年10月24日に上海で開催された外灘金融サミットで、マー氏が公然と中国の規制当局を批判した後、彼とその支配下にあるアリババグループは、当局による一連の粛清を受けてきた。昨年11月2日、マー氏は突然、中央銀行、銀保監会(注1)、証券監督管理委員会、国家外為管理局の4つの主要な規制当局から事情聴取を受けた。翌日、アリババ傘下のアリグループの上場計画が中止された。その後、アリババは罰金を科され、公式に立ち上げられた独占禁止調査の下に置かれた。

 フィナンシャルタイムズ英紙は1月8日、情報筋の最新文章を引用し、北京当局がアリババの独占禁止調査に関する報道を禁止するよう各大手メディアに命じたと伝えた。同紙の分析によると、ジャック・マー氏事件は、外野から見た企業整理整頓よりも深刻な問題であるか、中国国家にとって政治的に敏感な問題になっている可能性があるという。

 同紙によると、北京のアリババへの指示は、当初薄熙来氏の裁判を報道する時のように、重要な政治事件に関する報道をフレーズ化する方法に類似した、過酷で異常なものだったという。同紙は、中国共産党の人民日報がマー氏を取り締まった記事を引用し、「反独占が全体の情勢を左右する喫緊の課題となっている」と指摘した。

 この事件以来、マー氏は2ヶ月以上姿を見せておらず、彼の行方とアリババのビジネス帝国の運命についての憶測が飛び交っている。英メディアによると、北京当局がメディアのマー氏に関する報道を厳しく審査しているため、調査が政治問題にまで発展している可能性があるという。

 中国メディア「ニュース・ヘッドライン」は1月8日、この件に詳しい情報筋によると、マー氏が12月にセントキッツのパスポートで出国したことを明らかにしたと報じた。

 米カリフォルニア大学バークレー校情報学部の研究者である蕭強氏は、「マー氏の投資は中国の最も強力な政治家一族と直接関係がある。今回のマー氏事件は、政治的背景が強く、あの演説が習近平氏や他の党幹部の神経に触れたものではないかもしれない」と述べた。

 経済学者の羅家聡氏は、「路線の命令に厳密に従うことは、単なる経済現象ではなく、政治的な脅威と見なしているかもしれない。政治が中国共産党の第一の関心事であり、政治がすべてのことを凌駕している。その背景により、これを経済的または金融的なものよりもはるかに政治的な事件として特徴づけている」と主張した。

 注1:銀保監会:中国銀行保険監督管理委員会(CBIRC、銀保監会)である。銀保監会は、銀行事業の監督当局である「中国銀行業監督管理委員会」(CBRC、銀監会)と、保険事業の監督当局である「中国保険監督管理委員会」(CIRC、保監会)を統合したものである。

(翻訳・藍彧)

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