(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 12月23日、中国国内メディア「界面新聞」によると、四川省安岳県にある夫婦が2009年に7人目の子供を出産し、翌年に8人目を出産した。 

 2019年3月11日、安岳県衛生健康局は、2014年に改定した『四川省人口と一人っ子政策条例』の関連規定に基づき、同夫婦が6、7、8人目の子供を産む行為について、「社会扶養費徴収決定文」を出した。その内容には、6人目の子供の出産に社会扶養費27万元(約430万円)を徴収し、7人目の出産は71万元(約113万円)を徴収し、8人目は166万元(約265万円)を徴収するという。 

 2人目と3人目の子の出産時は以前既に徴収された。4人目と5人目の出産について拱橋郷計画生育事務所の関連情報が破損していたため処罰金を確認できなかった。6、7、8人目の子供のみ罰金を科することになった。 

 『四川省人口と一人っ子政策条例』の関連規定によると、条例に従わず子供を出産した場合、子供ごとに倍に社会扶養費を徴収する。つまり、劉氏夫婦は合計266万元(約4245万円)の社会扶養費用を科せられることになる。

  安岳県衛生健康局の責任者は2020年12月24日、上記の3件の決定文について、裁判所が法律の適用を誤ったと裁定したため、取り下げられたと述べた。同局は現在、新たに改正された『四川省人口と一人っ子政策条例』に基づき、徴収額を決定するという。 

 また、同責任者は、「現在、一人っ子政策が正式に廃止されたわけではなく、国の法律も改正されておらず、最下部の組織は政策を執行せざるを得ない」と述べた。 

 同記事は、ウェイボー(微博)で一時人気検索ニューストップになった。ネットユーザーたちは自分のコメントを書き込んだ。

 「毎日、高齢化が進んでいるとか、人口が減っているとかと言っているくせに、子供を産もうとする人がいたら、罰金を科すなんて、国の政策がどうしてこんなに矛盾しているんだろう」

 「出産が少なくてもだめ、多ければ罰金を取られ、庶民は生きる道があるのか」 

 「現在、多くの人は子供を産みたくない。子供を産み続けたい人がいるのに、罰金を科すなんて」 

 「彼らに罰金を科さないでくれ。私の2人目の子を産む権利を彼らに譲るよ。彼らはすでに私の代わりに産んでくれたから、罰金を科すのはやめてくれ」という声も多かった。 あるネットユーザーは、「最悪な一人っ子政策だ、最も恥知らずの罰金名目だ。社会扶養費がなんだ、自分で産んで育て、社会のために貢献し、消費を促進し労働力として貢献して、結果的に社会扶養費を支払うのか?!誰に支払ってるんだ!?両親が子供を生んで、働いて子供を養育しているお金、食べた物と着た服だれが無料で提供してくれたか?今まで長年社会扶養費として徴収された金額は兆にもなっただろう。どこに使ったのか?この子たちを育てたのか?人類史上、最も良識の欠けた政策だ。このような徴収は時代の恥だ!」と非難した。 

(看中国記者・文儷/翻訳・心静)