中国共産党の機関紙「人民日報」は10月4日、「金軒」の署名による論評「強い国内市場づくりを急げ」を掲載しました。同紙は9月25日から10日連続で「金軒」名義の論評を載せており、これがその10本目にあたります。それまでの9本はいずれも経済のチャンスや明るい見通しを強調する内容でしたが、今回の論評では、中国経済が抱える問題を正面から認める異例の記述が見られました。
論評は、国内経済には依然として多くの課題があるとしたうえで、個人消費に力強さが欠けていると指摘しました。雇用や所得が伸び悩み、人々がお金を使う余裕も意欲も失っているという分析です。さらに、投資を下げ止まらせるのは容易ではなく、民間投資も勢いを失いつつあるとしています。
政府の統計も、こうした状況を裏付けています。中国国家統計局によりますと、8月の都市部における16歳から24歳の失業率(学生を除く)は18.9%で、7月の17.9%から上昇し、この1年で最も高い水準となりました。25歳から29歳の失業率も7.5%に悪化しています。今年の夏に大学を卒業した人はおよそ1270万人と、過去最多となりました。なお、国家統計局は2023年12月から集計方法を見直し、学生を除いた若者の失業率を公表するようになっています。
官製メディアが、ここまではっきりと雇用や所得の厳しさに触れるのは珍しいことです。一方で、市民の実感は政府の説明よりもさらに厳しいようです。
最近、ゴミを拾う人の中に若者が目立つようになったとする動画が、中国のSNSに投稿されました。投稿者によりますと、若い人たちは上の世代よりも装備が本格的で、ヘッドランプやトングを持っているといいます。昼間は時間帯ごとに次々と人がやって来てゴミ箱をあさり、夜から明け方にかけても姿を見かけるそうです。
別のネットユーザーも、同じような光景について書き込んでいます。投稿によりますと、以前、廃品を拾っていたのはほとんどが高齢者で、生活が苦しく家計の足しにしている人もいれば、家でじっとしていられずに拾っている人もいたといいます。ところが今では、中年や若者の姿もあり、夕食後にマンションの外に出るたびに、誰かがゴミ箱をあさっているのを目にするそうです。
この投稿者は、廃品を拾う人たちの動きがどんどん素早くなっていることにも気づいたといいます。「前はゴミ箱の横に段ボールとか、ほかの廃品がよく置きっぱなしになってたんだよね。でも今はほとんど見なくなった。すぐに持っていかれちゃうから」
投稿はこう続きます。「なんで廃品拾いまでこんなに競争が激しくなってるんだろう。朝早くから夜遅くまで、時間を見計らってゴミ箱をあさってる。しかも、どんどん若くなってる。今の就職事情って、本当にそこまで悪くなってるの?」
コメント欄では、投稿者自身が「生きていくためには仕方ないんだよ」と返信しています。
(翻訳・吉原木子)
