中国内陸部の重慶市と、隣接する四川省達州市が豪雨に見舞われました。複数のダムが放流した影響で多くの川が警戒水位を超え、流域で大きな被害が出ています。中でも重慶市の城口県は被害が深刻で、濁流に流された人もいるということです。

 中国の官製メディアによりますと、9月28日午前8時から29日午前8時にかけて、重慶市のほぼ全域で強い雨が降り、局地的には非常に激しい雨となりました。5つの川が警戒水位を超え、そのうち4つは城口県を流れる川です。28日午後6時の時点で、城口県では22の町村から被害の報告があり、被災者は4017人に上っています。住宅185戸が損壊し、うち7戸が倒壊しました。道路も32か所で被害を受けています。

 城口県には大小9つのダムがあり、最大のものは巴山ダムです。住民によりますと、この巴山ダムが事前の予告なしに放流したため、住民の命や財産に大きな被害が出たということです。「ここ何十年もこんな大水は見たことがない」と話す住民も少なくありません。

 城口県に住む劉さんは、次のように話しています。
 「城口じゃ何十もの町や村がやられて、被害はほんとに大きい。あちこちで土砂崩れが起きてるし、道路もいたるところで崩れたり寸断されたりしてる。水に浸かった家も多くて、壊れた家もたくさんある。特に農村がひどくて、水に流された集落もあるし、行方がわからなくなった人もいる。養殖の魚も畑の作物も、ほとんど全滅だよ」

 28日深夜には、城口県に隣接する巫渓県でも水位が上がり続け、川の水が通りにあふれ出しました。川沿いの住民は一晩中眠れず、家財の運び出しに追われました。住民たちは上流のダムが放流したのではないかと疑っていますが、事前の知らせは一切なかったといいます。

 巫渓県に住む李さんはこう話します。
 「こんな大量の水、いったいどこから来たんだ?雨が降ってるのに放流までして、水はまだ上がってる。昨日は一晩中様子を見てたけど、雨はやまないし、また水が出るっていうから、みんな荷物を運び出してるよ」

 一方、四川省達州市でも、27日から28日にかけて市内の広い範囲が豪雨に見舞われました。いくつものダムが同時に放流したことで川が一気に増水し、あふれた水が町に流れ込んで、川沿いの多くの住宅が浸水しました。住民たちは自力で避難し、親戚や知人の家に身を寄せています。

 中でも被害が大きかったのが、宣漢県の南壩という町です。町を流れる前河という川の水位が急上昇し、水深が1メートルを超えた通りもありました。多くの店が浸水し、車も水につかりました。水が引いた後の通りは、ごみだらけになっています。

 南壩に住む白さんはこう話します。
 「大雨のうえに放流までされて、前河の川幅がものすごく広がった。旧市街の橋なんて、橋げたのすぐ下まで水が来てる。吊り橋も今にも崩れそうだ。店は水に浸かって、電気も止まって、2階から出られないんだ」

 同じく南壩に住む張さんも、不安を口にしています。
 「もう1か月もお日様を見てないよ。毎日毎日ものすごい雨で、とうとう洪水になって、家にいても気が気じゃないの。川沿いはほんとに怖い。怖くて家にもいられないし、夜も眠れない」