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一、抗エイズ(AIDS)薬は有効か

 中国メディア「新京報」は1月30日、北京大学第一病院の呼吸器および救急医療科の部長・王廣発が治癒し、退院したと報告した。彼は武漢で肺炎を調査していた時にウイルスに感染した。

 1月30日付の「香港経済日報」によると、王廣発氏は「武漢肺炎」の流行はコントロール可能だと主張したが、彼自身が武漢肺炎に感染した。彼は医用ゴーグルを着用しなかったため、ウイルスが目の粘膜から侵入したのではないかと考えている。王廣発氏によると、ある抗エイズ剤は体調の改善に効果的であり、体温を下げるのにたった1日しかからなかったと言った。

 長年にわたってエイズを研究してきた有名な専門家によると、王廣発氏が言及した薬は抗HIV薬「アルビア(カレトラ)」と呼ばれている。しかし「武漢肺炎」に効果的かどうかは不明だ。さらに、この薬には特定の毒性と副作用がある。

二、抗エイズ(AIDS)薬とインフルエンザ治療薬

 「香港経済日報」によると、中国女性患者がタイの医療機関でオセルタミビル(Oseltamivir)とアルビア(カレトラ)の治療を受けてから48時間後、武漢肺炎の症状が急に軽くなって、徐々に回復した。

 オセルタミビルはインフルエンザ治療薬であり、アルビア(カレトラ)は抗HIV薬である。

三、エボラ治験薬

 1月31日、ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシン(The New England Journal of Medicine)で発表された論文によると、米国で初めて診断された武漢肺炎の患者が、エボラ治験薬の治療を受けてから回復した。

 このエボラ治験薬は世界第2位の大手バイオ製薬会社である米国のギリアド・サイエンシズ会社(Gilead Sciences)が開発したRemdesivirという薬だ。Remdesivirはヌクレオチド(nucleotide)類似物としてRNA依存性RNAポリメラーゼという酵素の阻害剤であり(2019-nCoVウイルスはRNAウイルスである)、エボラ出血熱を治療するために開発された。

(翻訳編集・黎宜明)