中国では近年、多くの飲食店が閉店しています。中国の情報検索サイト「天眼査」によると、これまでに新たに設立された飲食企業は202万社を超え、主に火鍋、ソフトドリンク、バーベキューなどです。しかし、多くの人々が意気込んで店をオープンし、数か月後にはがっかりしてしまい、店を閉めて、ダイニングチェアや冷蔵庫などの設備を売却せざるを得なくなりました。これらの設備は、非常に低い価格で販売されており、ほとんど価値がありません。

 北京、天津、河北省で設備回収を経営している王さんは、「倒産しない会社はない」と述べています。彼は北京で5000平方メートルの倉庫を借り、設備回収のビジネスを着実に進めています。

 王さんのSNSでは、飲食店のオーナーから設備の回収や見積もりの依頼などの問い合わせがあります。たまには、ネット上で投稿した王さんの広告にひかれて、お店の苦境を分析してもらいたい人もいます。

 設備回収は小王にとって生計を立てる仕事であるが、王さんもこれらの経営者たちに同情します。大まかな計算で、今年6月と7月以来、設備回収の問い合わせは1日平均20件以上あり、それは同じ数の飲食企業が倒産の危機に瀕している可能性があることを示しています。

 同じ飲食設備回を経営している盧さんにとって、店を解体し、設備を回収し、棚卸しを行うことは過去10年間の日常です。

 彼が印象深く思う場面の1つは、6月中旬にある飲食店で、退職した老人がハンマーを持って、壁面にもたれかかっていた赤い照明箱を力いっぱい打ち砕いたことです。老人はこの店に23万元(約470万円)を投資したが、結局、わずか1800元(約36800円)しか戻らなかったのです。老人の顔には言葉では表現しきれない失望の表情が広がっています。

 一方、盧さんが回収した設備は、利益率が50%を下回っています。商売の角度で見ると、これらの設備は「1800元に値しない」と言えます。

 しかし、今年の初めに後戻りすると、まったく別の風景になります。

 王さんは、「(倉庫にある)200万元の在庫が一気に供給が追いつかなくなった。その頃、閉店する人と開店しようとする人がほぼ同じだ。前日に回収した設備は、翌日にすぐ売れたことがよくある」と述べました。

 「しかし、後半期になると、状況は一転した。回収した設備はたくさん残っていて、場合によって、非常に低い価格で売ることもある」

 盧さんは、「多くの人々の店を開く情熱が一気に冷めたことを感じている。経済不景気の背景で、誰もが店を開くことをためらっている」と述べました。

 浙江省嘉興市のフランチャイズブランドの運営者は、毎年新たに開店した約300店舗の中で、営業を続ける店舗は10%未満だと述べました。

 最近の一週間、盧さんは、5つの加盟店から回収の問い合わせを受けており、コーヒー、火鍋などが含まれています。彼はある店主と話をしたところ、これらの店舗は小規模に見えるかもしれませんが、大部分の収入は総部と家賃にかかっている。これらの要因が合わさり、店主たちは重荷に耐えかねて、閉店を選んだことが分かりました。

 盧さんは、素人も長年飲食業に携わってきた玄人も、できるだけ耐久性が高く、性能のいい設備を選ぶ。これらの設備は市場での流通性が高いため、回収の割引幅は6 ~ 7割程度となっていると述べました。

 いずれにしても、設備回収業者にとって、倒産する店がある限り、彼らの生存に問題ないと言えます。

 3ヶ月前、北京でチェーン火鍋店を開店したばかりの夫婦が王さんを30分近く待っていました。最後に、この400万元(約8000万円)を投資したこの店の設備回収価格はわずか10万元(約204万円)にすぎませんでした。

 店主は、「この結果になったのは本当に想像もしなかった」と述べました。

 今年4月、盧さんは約40の飲食店の設備回収をしました。300平方メートルの倉庫のほとんどの中古設備は完売しています。

 公開されたデータによると、今年上半期、バーベキュー関連の飲食企業の新規登録数は7,000社以上に達し、前年比で35.4%増加しました。しかし、盧さんはすぐに変化を感じました。

 以前、設備を買ってくれたお客がまた来ましたが、今回は設備回収の依頼です。

 「中国飲食ビッグデータ2021」によると、中国で新たに開業する飲食店の平均寿命は、わずか508日しかありません。しかし、盧さんは、多くの店の寿命は1年にも満たないと述べました。それと同時に、盧強の回収品目も変化し、様々なコーヒーメーカーが彼の倉庫内に出現し始めました。

 一方、王さんは、飲食業界の登録店舗数は約500万店、毎月の閉店率は10%前後で、やり方次第では十分に市場に食い込むことができると判断しました。2020年半ば、王さんのビジネスは転機を迎えました。当時彼のいた都市では、ミルクティーや火鍋などの店が次々と閉店しました。その年のピーク時には1日平均30 ~ 50件の回収の問い合わせがあり、売り上げも伸びていました。

 しかし、今年7月以降、王さんは、全国で多くの人々が設備回収に目を向けるようになったことに気づきました。「同業者が増えて、商品が売れなくなりました。」
競争が激しい中、設備回収業界の短所が浮き彫りになります。多くの場合、回収価格は販売価格を上回ります。王さんのビジネスモデルでは、回収の粗利益は通常50%以上でなければならず、保存、輸送、メンテナンス、アフターサービスを差し引いたら、純利益はおおよそ10%程度です。現在の状況では、純利益は既定の半分しかありません。

(翻訳・吉原木子)