オリーブオイル(Pxhere CC0 1.0)

 食事に欠かせない「油」について、皆さんはどのくらいご存知でしょうか?今日は、食用油に関する誤解をいくつかご紹介します。ぜひ参考にしてみてください。

誤解その1:普段と名前が違う油を食べれば健康になる

 ダイエットなどのために、今まで食べていた油を見直して、異なる種類の油を摂取した方はいらっしゃるのではないでしょうか。しかし、なんとなく名前と原料だけで油の種類を変えていませんか?
 実は、油の名前は違っても、脂肪酸組成は同じカテゴリーに属することがあるのです。例えば、「大豆油」と「コーン油」の主な脂肪酸組成は「リノール酸」であり、「亜麻仁油(アマニ油)」と「アゴマ油」の主な脂肪酸組成は「α-リノレン酸」なのです。
そのため、食用油の種類を変えたい場合は、例えば「大豆油を亜麻仁油に変える」など、脂肪酸組成が違うものに変えるのがいいでしょう。

誤解その2:全ての料理に同じ油を使う

 油の種類によって耐熱性が異なります。高温で調理すると発がん性物質の生成を促進し、健康被害をもたらす恐れがあります。そのため、調理法に応じて適切な油を選ぶ必要があります。
 例えば、揚げ物には「パーム油」「ココナッツ油」「バター」などの耐熱性が最も高い油、炒め物には「こめ油」「キャノーラ油」「大豆油」「精製オリーブオイル」などの熱に強い油を使う方がいいでしょう。そしてスープやサラダなどを作る時は、耐熱性の低い「亜麻仁油」「アゴマ油」「未精製のバージン・オリーブ油」などを使うのをお勧めします。

誤解その3:病人の食事にも普段と同じ油で料理を作る

 心臓病を患っている人は「キャノーラ油」「オリーブ油」「ゴマ油」「亜麻仁油」など心臓に良い油を優先的に摂取したほうがよいです。血中脂肪が高い人は、調理に「コーン油」を使用する炒め物や揚げ物を控えるか、食べないようにすることが勧められます。また、基礎疾患のある人は、食用油の選択にもっと注意を払う必要があります。

誤解その4:食用油をコンロ脇に置く

 食用油や調味料を手に取りやすいようにコンロの脇にずっと置いておく習慣は、誰にでもあるのではないでしょうか。しかし、この習慣は改めるべきで、特に食用油の置き場所には注意が必要です。
 調理の際、特に長時間の「蒸し」をすると、コンロ周辺の温度が高くなり、食用油に含まれる油脂は長時間熱にさらされると分解・劣化しやすくなります。油脂の分解で生じる「リノール酸」は、空気中の酸素と反応して「アルデヒド」や「ケトン」などの有害物質を生成する可能性があります。このような油を長期間摂取すると、吐き気、嘔吐、下痢を引き起こしてしまう恐れがあります。さらに、食用油が高温にさらされると、油に含まれるビタミンA、ビタミンD、ビタミンEが酸化し、食用油の本来の栄養価が低下することにもつながります。そのため、食用油はすぐにコンロから離し、直射日光の当たらない冷暗所に置くようにしましょう。

 食用油に関するいくつかの誤解について、ご理解いただけましたでしょうか?健康志向のあなた、食用油の選び方や使用量、置き場所などにも注意して、健康のためにもっと気を付けましょう。

(翻訳編集・玉竹)