NPO法人移植ツーリズムを考える会が4月8日、神奈川相模原市ユニコムプラザ相模原で中国臓器収奪に関するドキュメンタリー映画「ヒューマンハーベスト」上映会、及び国際人権弁護士デービット・マタス氏の来日記念講演会を開催しました。

 マタス氏は2006年、故デービット・キルガーカナダ元国務大臣と共に中国臓器収奪問題に関する調査報告書をカナダで初めて発表して以来、調査を続けています。

 マタス氏は講演会の中で、これまでの調査によると、中国では年間に10万件の臓器移植手術が行われていると述べました。日本の患者さんも中国に行き移植手術を行なっています。日中間でのリサーチや講演、カンファレンスなどを行っています。日本が中国に対して臓器移植のトレーニングを行なったり、トレーニングが出来る為の医師を派遣したりして、協力関係にありました。また、中国病院への融資や医療技術者間における情報交換も行っているとマタス氏が指摘しました。

 マタス氏はまた、日本の移植ツーリズムの状況に対して移植ツーリズムを行った場合には国、病院、医師に報告義務を果たす法律を設ける必要があり、出所不明な臓器移植を犯罪とみなす刑法で罰するようなどと提言しました。日本が免疫抑制剤を中国へ輸出しているという事についても言及し、輸出入の管理が必要だと述べました。

 臓器の売買、仲買、それに対しての促進を行なった行為を犯罪とする国が現在、19カ国あるがまだ少ない状況であると述べました。

 講演会の参加者からは、「臓器移植問題に関してはもっと日本が声を上げられる社会でなければならない」「日本もかなりの関与をしている事を学んだ」「啓蒙の必要を感じた」などの声が上がりました。

(文・南原真理)