中国広東省深セン市は25日、多くの地域で豪雨に見舞われた。

 市気象台は25日午前11時頃、豪雨の黄色(注)警報と雷雨・強風の黄色警報を発令した。平均風速14~20m/sの突風と雷が伴う30~50mmの降水が予想され、市は豪雨緊急事態に入るという。

 都市部の道路が瞬く間に川のようになり、地元メディアは「豪雨に圧倒され、水簾洞(すいれんどう)のようだ」と報じた。「水簾洞」とは、古代中国の小説『西遊記』の主人公・孫悟空が暮らした「花果山」の一角。滝のように流れる水が簾(すだれ)のように洞窟の入り口を覆っていることで名付けられたという。

 SNSで投稿された動画から見ると、豪雨に圧倒され、市の多くの道路が「水路」のようになっている。車の運転中にフロントガラスを撮影した動画を投稿し、「運転しているのは車じゃなくて船かも」とコメントしたネットユーザーがいた。

 大型商業施設「The MixC 万象天地」内では、天井が豪雨に耐えられず水漏れした動画も投稿された。施設のロビーでは従業員が慌ただしく出入りし、重要部品に複数の傘を差し、床には水を受け止めるバケツをずらりと並べ、多くのカウンターを防水カバーで覆っている様子が映っていた。

 なお、雷雲が移動し、雨が次第に弱まったことで、市気象台は午後3時頃、豪雨の黄色警報と雷雨・強風の黄色警報を解除した。

注:中国の警戒信号のレベルは、一般的に気象災害がもたらす危害の程度、緊急度、展開状況に応じて、Ⅳ(一般)、Ⅲ(軽度)、Ⅱ(重度)、Ⅰ(特に重度)の4段階に分けられ、青、黄、オレンジ、赤の順に表示される。 

(翻訳・常夏)