中国のテクノロジー企業「百度(バイドゥ)」は16日、自社製の人工知能チャットボット「文心一言」を公開する予定。しかし、AIの基本的な機能が完成するまでには間に合わないと、米メディアが報じた。

 百度は13日、人工知能チャットボット「文心一言」を巡り、16日14時に北京本社で記者会見を行うと発表した。しかし、15日、「百度の内部通知」とされるスクリーンショットがネット上に出回っている。

 同内部通知は、「明日は『文心一言』の公開日です。GPT-4がすでに強力な能力を示していることから、文心は背水の陣を敷いて、対応しなければなりません。発表日当日、文心は一旦、質問をうまく答えられなければ、百度の社員は(文心の)代わりに答える必要があります」と書かれている。

 このスクリーンショットは、ネット上で話題となった。しかし、一部のネットユーザーは、「これは本当の通知ではなく、百度の製品を揶揄するためだけではないか」と主張している。また、実際の人間を使うよりも、舞台裏でChatGPTに接続できるインターフェースを設計して、ChatGPTが代わりに質問に答えてくれるようにしたほうがいいという意見もあった。

 また、中国のSNSで、「ChatGPT-4」と表記されたスポーツカーと、それと似た形のゴミ箱が「文心一言」と表記される百度を揶揄する画像も投稿されている。

 これらの投稿は、多くの中国のネットユーザーが中国製のチャットボットにあまり期待していないことを示している。

 米紙「ウォール・ストリート・ジャーナル」は先週、「文心一言」のAIモデルは、まだデータの訓練を受けているが、その訓練時間を短縮することができず、予定の公開日になっても基本的な機能は改善されないと報じた。

(翻訳・吉原木子)