中国遼寧省葫芦島市化学工場周辺の農耕地(微博より)

 中国東北部の遼寧省葫芦島市(ころとうし)南票区団山子村(だんざんこそん)の80人以上の村民がこのほど、実名で通報手紙を出した。手紙の中で、同村の化学会社による環境汚染が千人ぐらいの村の脅威となり、村人たちに涙を流させ、口や舌のしびれを感じさせるばかりでなく、癌に罹る人や死亡者が100人を超したと主張した。

 中国のメディアによると、団山子村は大気だけでなく、地下水まで汚染されているという。同村の一部の村民が、長年にわたり、地下深くの井戸水を主な飲用水として利用してきた。しかし、近年、地下数十メートルから汲み上げた水が緑色に変色してしまい、飲用できないため、数十キロメートル離れた場所まで水を汲みに行くしかないという。また、化学工場周辺の千畝(ム)以上の土地には草も生えていないという土壌の問題と、異臭の問題も非常に深刻になっている。

 葫芦島市の生態環境局によると、団山子村の環境汚染の原因は主に2つあり、1つは同村の化学工場にある残在庫中の有害廃棄物の処分で、もう1つは近隣する北港(ほっこう)と竜港区(りゅうこうく)の化学工業会社からの廃棄ガスの放出である。調査団が調査した結果、同市興明環境保護科学技術有限会社が汚染物質を違法に排出したことが判明した。村の土地に苗が育たず、生存率が低いことについては、調査団の責任者が「大昔に汚染された土地であり、現存する企業の汚染によるものではない」として、「歴史的問題」であることを指摘した。

 同市のタクシー運転手の李さんによると、この地域には百社以上の化学工場があり、彼はその一社の化学工場から1キロメートルほど離れたところに住んでいる。以前はたまにしか臭いを感じない程度だったが、今年はより深刻で、特に5月から6月にかけて喉まで辛くなることがあり、ひどいときには、家の中が一日中酸っぱい匂いがし、夜中に息苦しくて目が覚めてしまうこともあるという。

 それにもかかわらず、葫芦島市の生態環境局は、街の環境を測定した結果、同地の空気質は「良好」であると主張している。同市の17日の大気環境日報には、「16日、葫芦島市の空気質指数(AQI)は48で、周囲の大気環境は良好である」と記されている。

(翻訳・徳永木里子)