世界保健機関(WHO)事務局長のテドロス氏(Tedros Adhanom Ghebreyesus)事務局長(イメージ:flickr / ITU Pictures / CC BY 2.0

  世界保健機関(WHO)は11月27日の声明で、新型コロナウイルス(中共ウイルス、COVID-19)の新たな変異株をオミクロン株と名付ける時、ギリシア文字のアルファベット「Nu(ニュー)」と「Xi(クサイ)」を飛ばしたことを認めた。

 順番通りならば選ばれるはずの2つのギリシャ文字が飛ばされたため、世界各地で新型コロナウイルスの新たな変異株「オミクロン株」の確認が相次ぐ中、その命名の経緯について、憶測を呼んでいる。

 WHOは今年5月以来、ギリシャ文字のアルファベットを順番に使って新型コロナの変異株に名前を付けてきた。デルタは猛威を振るったが、続くイプシロン、イオタ、ラムダなど8種類の変異株はほとんどが徐々に消滅した。南アフリカで今回発見された新たな変異株「B.1.1.529」については、WHOがギリシャ文字のアルファベットの順番に従って「Nu(ニュー)」と命名すると思われた。

  しかし、これまで使われていたのは12番目の「ミュー」までで、「ニュー」と「クサイ」は飛ばして、ギリシャ文字のアルファベットで15番目の「オミクロン」を採用した。

 WHOは28日、ANNの取材に対し、「ニュー」は英語で新しいを意味する「new」と混同しやすく、「クサイ」は一般的な名字であるため使用しなかったと答えた。

 WHOは電子メールでCNNに次のように説明した。「新たな疾病の命名に関するWHOのベストプラクティスでは、『いかなる文化、社会、国家、地域、職業、民族に対しても不快感を生じさせることを避ける』と規定している」とした。

 「クサイ」は英語では「xi」と書き、発音は異なるものの、ギリシャ文字のXiは、中国の習近平(Xi Jinping、シーチンピン)総書記の習と同じつづりになることから、WHOが中国に配慮して「Xi(クサイ)」を飛ばしたのではないかと一部で指摘された。

 米国共和党上院議員のテッド・クルーズ氏はツイッターに「WHOが中国共産党をこれほどまでに恐れているのなら、次に中国が致命的な世界的パンデミック(大流行)を隠匿しようとしたとき、WHOが中共にアウトを宣言するとしても、どうしたら信じられようか」と非難した。英紙テレグラフのPaul Nuki上級エディターはツイッターに「Xiは特定地域に烙印を押すことを避けるためのものだったとWHO消息筋は伝えた」とし「すべてのパンデミックは本質的に政治的だ」とした。

 新型コロナウイルスはそもそも習近平治下の中国で最初に勃発した。その後、中国共産党政府が透明性を欠き、ウイルスの拡散を意図的に隠したため、世界が対応するための最良のタイミングを逃し、世界は経済的に大きな打撃を受けただけでなく、流行によって数百万人もの人々が亡くなった。この時、習近平氏の姓の発音に近いXiを新しい変異株の名前として使われたら、習近平氏と新しい変異株とが関連付けられることになり、そうすれば、中共の立場は更に気まずくなるだろう。そのため、WHOが「中国の顔色を伺った」のではないかという主張が拡散している。

(翻訳・吉原木子)