(イメージ / Pixabay CC0 1.0)

 イスラム主義組織タリバンの共同設立者で、アフガン暫定政権の閣僚メンバーでもあるムラー・ヌールディン・トゥラビ (Mullah Nooruddin Turabi ) 氏(60)は、前回のタリバン統治下で行われていた手足の切り落とし、死刑などの刑罰を復活させるつもりだと明かしました。 また、公開処刑する場合には、犯罪の抑止効果を高めるために、見物人による撮影・拡散を許可することも検討しているといいます。

 米ニュースサイト「阿波羅ネット」の24日付は、AP通信の報道として、アフガンの首都カブールでのトゥラビ氏へのインタビューを報じました。 同氏はインタビューで、「我々はシャリーアに従うし、コーランに基づいて法律を作る」と公言しました。

 シャリーアはイスラム法とも呼ばれ、イスラム教の経典コーランと預言者ムハンマドの言行を法源とする法律です。イスラム法学者が法解釈を行いますが、学派によって解釈が違う時もあるため、イスラム教徒の多い地域では、実施の度合いが異なります。

 タリバンは先月15日、アフガンを掌握した際、「敵を作りたくない」「20年前より進化した」と公言しましたが、今回の同氏のコメントから、タリバン指導層は、携帯電話などの使用を認めても、これまでの考えを変えていないことが示されました。

 1996~2001年までの前回のタリバン政権は 、司法裁判がほとんど公開されず、有罪判決はほぼイスラム教の聖職者がイスラム法に従って決めていました。

 当時の死刑執行は、その多くが、首都カブールのガジ・スタジアムなどで、大勢の男性の観衆の前で行われていました。 有罪判決を受けた窃盗犯は片手を、公道での強盗犯は片手と片足を切断しなければなりませんでした。

 トゥラビ氏はAP通信に対し、 犯罪を抑止するために、「手を切ることは、治安の維持のために非常に必要な刑罰である」と述べました。 また、公開処刑を行うかどうかを幹部が検討していると明かしました。 前回のタリバン政権について、トゥラビ氏は、「その時は国のあらゆる場所が完全に安全だった」と成功を収めたと主張しました。

 AP通信によると、タリバンメンバーは最近、カブールで以前よく使われていた刑罰を復活させました。少なくとも2人の窃盗犯が先週、両手をしばられた状態でトラックにのせられ、トラックが街を走行しました。 窃盗犯の1人の顔には泥棒のマークがつけられ、もう1人はナンを口に詰めこまれていました。 何を盗んだかは公表されていません。

(新時代Newsより転載)