馬雲(ジャック・マー)氏(イメージ:World Economic Forum at en.wikipedia / CC BY-SA

 中国上海市教育委員会は3日、2021年度の教育課程計画において、上海の小学校で英語の試験を取り消すという通知を発表した。この動きは、中国鎖国の前兆だと指摘された。ネットユーザーは『中国共産党政権はなぜ英語教育をなくそうとしているのか?馬雲(ジャック・マー)氏がその理由を説明してくれる』という動画を投稿した。

 アリババの創業者である馬氏の若い時の動画が7日、ネット上で出回っている。元英語教師の馬氏は「私のような人間にとって、もし英語がわからなければ、私が受けた教育は、学校は何が正しいかを教えてくれること、両親の言うことは必ず正しいということだった。英語がわかってから、彼らが必ずしも正しいわけではないと気付いた。自分の頭を使って考えなければならない」と述べた。

 馬氏は続けてこのように語った。「1985年に初めて夏休みでオーストラリアに行った時のことを覚えている。オーストラリアに行く前は、中国が世界で一番豊かな国だと思っていた。小さい頃、私たちが全人類を解放すると教わったからだ。オーストラリアに来てから、相手にまず解放してもらう必要があることがわかった」

 上海市教育委員会が3日に発表した通知は、2017年に出された教育課程計画を再確認し、小学校3年生から5年生までの期末試験に中国語と数学以外の科目を出すことを明確に禁止しており、つまり、英語の期末試験を行わないことを意味している。

 最近、中国のインターネット上では、英語試験取消のニュースが広まっており、さらに、英語学習アプリとして有名なDuolingo(デュオリンゴ)が先日、モバイルアプリのプラットフォームから突然削除されたことと相まって、外界からは中国鎖国の前兆だと言われている。

(翻訳・徳永木里子)